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プレミアム・ラーメン丼




Riq.no4 (緑間長編ヒロインの秀徳メンバー茶化しまくりの日常夢)

*設定
夢主はRhapsoday in Greenの主人公。end後

※※※

ガラガラガラ…
「…はー…全く、先輩達も人使いが荒いよなー」
「文句言う間に足を動かせ、高尾」
「……先輩達だけじゃなくて、真ちゃんもかよ!?」
高尾君はチャリアカーを漕ぎ、真太郎はリヤカーに乗っている。

…流石に、練習後でこれはキツイよねー。
真太郎と一緒にリヤカーに乗っている私が言えた義理ではないが、高尾君が気の毒になってくる。
…もうちょっとダイエットしとけば良かった。

『…和成君、スポドリをどーぞ?』
「うっあー、名前ちゃん、優しー…サンキューな!」

私が出来るのはこれ位だけど…でも、隣で真太郎が私を睨んでいる。
「名前、高尾を甘やかすのではないのだよ!」
『…はい、真太郎には、お汁粉あげる』
「……貰っておいてやるのだよ」
「はは。さっすが名前ちゃん。すっかり真ちゃんの操縦法を弁えているんだな!」

今日は部活後、秀徳一軍の主メンバーで、ミーティングを開く事になっていた。
でも、今日は蟹座のラッキープレイスはハンバーカーショップ。
緑間君の押しで、マジバに決まった訳だが、私達は一足先に行き、席取りを命じられたのだった。

※※※

「…何だか、さっきからやたらに見られているみたいなのだよ」
『そりゃそうでしょ。ハンバーガーショップで、テーブルに二つもラーメン丼が置いてあったら、イヤでも目に付くわよ』
高尾君はプルプルしている。

こんなシュールな状態だから、イケメンが二人いる状態にも関わらず、私達に声をかけてくる女子はいない。
皆、遠巻きに見ているだけだ。

『…ラーメン丼がラッキーアイテムなら、ラーメン店に行けばいいのに…』
「何を言うか。今日のラッキーアイテムは"ラーメン"ではない。"ラーメン丼"だ。そして、ラッキープレイスはハンバーガーショップ。
おは朝の通りに人事を尽くしているのだよ」

んで、まんま実行すると、こんなシュールな世界になる訳ね。
…全く、おは朝も真に受ける信者の事を、もう少し考えて欲しいものだわ。

取りあえず、私達は無事に6人分の席を確保した。
暫くしたら、どやどやと先輩達が入って来た。私達は手を振った。…それにしても、皆でけえ。

「うっわー…何だ、あの席!?体育館ならまだしも、ここでラーメン丼ってか…轢くぞ!」
「しかも蟹座二人分で二つ…ダブルであり得ねーよな。軽トラで積んで骨董市に緑間ごと売り飛ばしてぇ」
「まぁそう言うな。目印になっていいじゃないか」

先輩方も席に着いた。
私は、何故か真太郎と高尾君に挟まれ、宮地先輩と向かいの席に座っていた。
てか、何で真ん中にいるし?

席は右奥から、大坪先輩、宮地先輩、木村先輩。向かいには、真太郎、私、高尾君の順である。


一通り、注文を済ませてから、徐に大坪先輩が切り出した。
「皆を集めたのは、他でもない。…俺と宮地がアイドルイベントのプラチナチケットを手に入れる算段を話し合う為だ」

……ちょっと待て。
『それって、部活に関係あるんですか?』
「まぁ…はっきり言って、無いな!」
言い切ったよ。いっそ、はっきりし過ぎて潔いわ。

「…馬鹿馬鹿しい。俺は帰るのだよ。名前も来い」
真太郎は、私の手を引いて立ち上がる。って待って、まだトマトチーズバーガーセット食べ切ってないよ!?

「緑間ぁ…」宮地先輩は、黒い笑みを浮かべる。
「そんなに非協力的だと、お前の我儘の権利を無くしてやるぞ?」
「……!!!」
「それと、おは朝の効果が無くなる様に、毎日呪ってやるからな?」

の…呪い…? ナプキンを形代に切るのは止めてください!?陰陽師か!!??
つか、どこから持って来た、その鋏…?赤い人じゃあるまいし。

真太郎は溜息を一つ吐くと、再び座り直した。
「…仕方ないのだよ。呪われては敵わん」

「…すまないな」
大坪先輩は苦笑いしている。

『…それで、そのチケット購入する手段って、どんなものなんですか?先輩達は、当然FCに入会しているんですよね?』
さっきと一転して、真面目な表情になった宮地先輩が答える。
…そうやってきりっとしていれば、イケメンなのになぁ。

「ああ。…しかし今回のは、席数が少ない上に、イベント握手券があるので、熾烈な争奪戦は覚悟しなければならん」
「例えFCに入会してても、CDを購入した抽選の結果だから…取れるかどうか」
「へーえ。そいつぁ…大変っすねー…」
高尾君が相槌を打つ。

私が考え込みながら発言する。
『それなら、チケット取る方法は幾つかあります。…一つは、普通に応募する。でも、それでは運次第で取れないかもしれない。
後は、snsのファン専用スレで余った券を買う。この場合は定価で買えるかも。これは前提として、書き込みが無いと始まらない。
もう一つは、ネットオークション。あともう一つは、知人の名を借りて入会し、CDを複数購入して応募する。

後者二つは可能性は上がります。お金がかかりますが』

「うーむ…。俺達は高校生だからな。使える金は限られている」
「…それに、FC限定の握手会なんで、チケットは本人確認するんだよなー」
『…もし、芸能界のコネが利くなら、苦労は無いんですけどねー』

「コネ…だと?」
真太郎は、苦い顔して黙り込んだ。
それを、宮地先輩が見咎める。

「何だ、緑間?…もしかしてお前、コネでもあんの?」
『……それって、黄瀬君か赤司く…!?』
「黙るのだよ!!!」

真太郎は、私の口を素早く塞ごうとした。が、少し遅かった。
「あー、もしかして、キセキの同中?」
「余計な事を言うな!高尾!!」

「コネがあるなら、手を回してくれよ、緑間っ!!」
「イヤなのだよ!!アイツらを巻き込んだら、碌な事にならないのだよ!!!」
「てめー、轢くぞ!?」
「まぁ落ち着け、宮地。軽トラなら貸してやるw」
木村先輩…それ、宥めてるんじゃなくて煽ってんじゃ…?

「でも、名前ちゃんさー…チケ取りに随分詳しいんだね?…実は好きメンでもいるのw?」
高尾君の横槍に、私は顔を顰めた。
…確かに、前世では某アーティストのコンサートに良く行ったけどさ。
今の世界では、特に追っかけとかはしていない。

「どうなのだよ、名前?」
『…何で私が問い詰められているの?』
「いやー…彼氏としては、気になる所っしょw」
『昔はいたけどね。…今は無いよ。真太郎、ポテト食べる?』
「いただくのだよ…」
「滅べリア充!!!パイナップル投げんぞ!!!」

その時、入り口の扉が開いて、女の子が二人と男の人が二人入って来た。
それを見た大坪先輩と宮地先輩は凝固した。

『…?どうしたんですか?先輩方』
「大坪…っ あ、あれ…っ!!???」
「お、おお…っ!!!??」

高尾君が振り向いて叫んだ。
「あっ!?あれって、みゆみゆとマミリンじゃね?」
『ああ、あの二人が? 可愛いねー♪』
「名前の方が可愛いのだよ」
「緑間、貴様っ!!みゆみゆ団扇、貸してやんねーぞ!?」
「ちょ、先輩www真ちゃんに言っても無駄っしょー!?」

『…で?先輩方は、どーするんですか? 折角の好機なのに、そのままずーっと固まったままですか?』
「……ど、どーもこーもねーよ…」
「……大体、どーすれば良いんだ…?」
大坪先輩と宮地先輩はおろおろしている。意外とヘタr…いや、シャイである。

「名前…お前、今、凄ーく失礼な事考えてなかったか?」
『……いやだなぁ宮地先輩、気のせいですって』
「最初の沈黙が気になるな」
『余計な追及はしないが花、ですよ?大坪先輩』
それよりも、行くのか行かないのか?と、私が問うと、再び彼等は固まった。

『握手とか、サインとか…?それが出来なくても、挨拶するとか…?』
「無理っしょ、名前ちゃん。二人を見てみろよ。ガッチガチじゃん?」
全く。気持ちは分かるけど、デカい図体でガチガチって。


『なら、私が行って来ますね』
私は、ラーメン丼を持って立ち上がった。
あ、鞄を漁ったら油性ペンも入ってた。丁度良いや。

「えっ!?名前ちゃん!?」
「何するつもりなのだよ…?」
私は、慌てた一年コンビの声を背にしながら、しゃがみ込み、ラーメン丼を頭に被せた。

※※※

みゆみゆとマミリンは、店内の注目の的だった。
既に人垣が出来ている。
それを、傍に付いているマネージャーらしき人が牽制している様だった。

「みゆみゆ!握手してー!!」「マミリン、サインください!!!」「二人でポーズ取ってー!」「歌ってー!!」
「写真や動画の撮影は止めてください!押さないで…!!!」

すげぇ。既に店内は、プチイベント状態と化している。
私は、匍匐前進を開始した。と言っても気分だけ。
実際に制服でやったら汚れてしまうから、丼を頭に被ったまま「ダルマさんが転んだ」風にしゃがみながら、止まっては進んでを繰り返している。

やっと、目的のテーブル席まで辿り着いた。私は立ち上がった。
やったぞ!!人垣を潜り抜けたぞ!!!…黒子君なら、余裕そうだけどな。

『すみません!!これにサインをお願いします!!!』
私は、彼女等に丼を差し出した。…だって、これしか持ってないんだもん。
不意を突かれた彼女達は、私の差し出した丼を見て、ポカンとした。

「こ…これ…に?」
(何でラーメン丼?)と、顔にはありありと書いてある。が、気にしたら負けだ。私は平然と微笑んだ。

『はい!みゆみゆさんは「清志さんへ」、マミリンさんは「泰介さんへ」と其々にお願いします!』
私って、先輩思いの良い後輩だなー…なんて、一人でニヤニヤしていた。
流石に、直接イベントチケットは強請るのは無理だけど、せめてサイン位はしてあげて欲しい。

「わ、分かったわ。じゃあ、私はここに書くから…」
マミリンさんは、にっこり笑って、丼の側面の内側に書いた。「泰介さん、でいいのね?」
『はい!ありがとうございます!!』
「じゃあ、私は反対側に…清志さん、ね?」『はい!!ありがとうございます!!』

『そして…お二人で、底に"秀徳ウィンターカップ優勝!"って、書いてください!!!』
「ウィンターカップ?」
『はい、高校のバスケ部なので』
「あ、そうなんだー!?凄いね、頑張って!!」
『…出来たら、あそこの二人にも言ってあげてください…』

私が駄目元で彼等の席を指し示した。
「いいわよー」
マジで!?


私は二人と共に、彼等の席に戻った。
先輩は元より、一年コンビまで固まっていた。

「清志さんってどなた?」『アレです』
「泰介さんは?」『ソレです』

仮にも先輩方をアレソレ呼ばわりは、我ながらどうかとは思うが、固まって半ば物体と化した彼等をつい、そう呼んでしまう。
…後で正気に返った時に、轢かれたりしないと良いけど。
まぁ、押しメン二人に免じて、許して貰おう。

彼女等は、固まったメンバーを優しく激励をしてくれた。

彼等が固まりから人に戻ったのは、彼女達が席に戻って暫く経ってからだった。

「おい!!これ、すげーな!俺の家宝にするぞ!!!」
「ちょっと待て、宮地! これには、俺へのサインも書いてあるんだが?」
「なら、二つに割るか…って、底にも書いてあるから割れねーっ!!?
仕方ねえ、緑間! お前、その丼を寄越せ!! もう一つ同じサインを書いてもらう…!」
「嫌なのだよ!!これは、今日の蟹座のラッキーアイテムなのだよ!!」
「チッ!一年坊主が抵抗するんじゃねー!!!刺すぞ!!!」
ラーメン丼を巡って大騒ぎしている面々を尻目に、私はシェイクを注文した。

『ここのバニラシェイク、美味しいよね!』
「名前ちゃん…wアレ、放っといて良いのw?」
『いやー…あっはっはww』
「…もしかして、何にも考えて無かったってオチ?」
『…和成君、考えても仕方の無い事は考えない事だよ』


私が、ふと、アイドル達のいた席を眺めたら、いなくなっていた。
どうやら、真太郎と先輩方が丼を取り合っている時に、出て行ってしまったらしい。

『ありゃ〜…』
「先輩!あの二人、もう出て行ったっすよ?」
「テメーら!何で、それを早く言わない!?煮るぞ!!」
『私達も今、気が付いたんで』

真太郎はラーメン丼を死守して、息を切らしていた。
ぜえぜえ言いながら、私に文句を言う。
「…名前、ラッキーアイテムを易々と差し出すな! お陰で俺まで、とばっちりを食ったのだよ! 折角、俺が二人分用意したと言うのに!!」
『…ご、ゴメンね?…このシェイク、飲みかけだけど飲む?』
「……貰うのだよ」
「真ちゃん…それって間接キ…」
「黙れ!高尾!!」
「うわ、顔真っ赤…!」

そんなやり取りしている間に、ラーメン丼の処遇は決定したらしい。

「仕方ねーな。…これは、二人の共有物にしようぜ」
「そーだな…ウィンターカップ終わるまで、部室にでも飾っておくか」
「取られねー様に、金庫買ってしまって置こーぜ」
「ラーメン丼を金庫に!?wwwすっげーシュールだな、それ!?」
「うっせー木村、文句なら苗字に言え!」

その日の帰り、私と真太郎は途中で寄り道した。

※※※

-次の日-

私は部室で二人を呼び止めた。

『大坪先輩と宮地先輩!』
「…何だ?」
『はい、これ。緑間君と私から』
「…お守り?」

『芸能に所縁のある神社です。プレミアチケット取れる様に祈願して来ました』
「あ、ああ。すまないな」
「……マジか?…あの、緑間が?」
『彼なりに、先輩方を思っているのですよ』
二人共、照れ臭そうに受け取ってくれた。


後日、通常の方法で、二人共チケットは見事ゲット出来たらしい。

「…アイツ、更にラッキーアイテム寄越しやがった!」
「取りあえず礼は言っとけよ、宮地」
「それは良いけどよ。人面魚の標本とか…一体どこで見つけたんだか」


END

※※※

ハル様

お楽しみいただけましたでしょうか?

緑間長編ヒロイン・秀徳メンバー茶化しまくりの日常夢(部活後のマジバで盛り上がる)
とのお題のリクエストをいただきました!

茶化しまくれたかは分かりませんが、ドタバタ系の話は書いていて面白いです。
日常夢って、意外と難しい…

緑間長編を気に入ってくださって嬉しいです。

リク、ありがとうございました!!




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