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Cupidにジェラシー-2-




-名前side-

私は、玲央姉様と一緒に色々な店を回った。
ヘアアクセの専門店では、可愛い物が多くて、見ているだけでも楽しい。
今度…シュシュとかバレッタも作ってみようっと。

「あら、これなんか貴女に似合うんじゃない?」
玲央姉様は私の髪に、カチューシャを着けてみた。
「思った通り、可愛いわねー♪」

玲央姉様、と呼んでいても、綺麗な男性に手放しで褒められると、照れてしまう。
直接会ったのは初めてだけど、ネットで会話していたせいか話は弾んだ。

『玲央姉様って、バスケやっていたのですか?』
「そうなのよ。…残念ながら、準優勝止まりだったのだけどね。私はシューターとして出てたわ」
『全国で準優勝…それって凄い事ですよね?』

玲央姉様は、苦い表情で微笑んだ。
「それが、うちは毎年優勝するのが当たり前みたいな高校なのよ。だから、新設校に負けたのが悔しくってね
でも、来年はリベンジするわよ!」
『ほぇー…』
「でも、貴女の高校は秀徳でしょう?秀徳も今年はベスト3に行ったのよ?」
『えっ!?』
「あらヤダ、知らなかったの?」

…そう言えば…そんな話も聞いた様な。
って言うか、それって、レギュラーの緑間君や高尾君がって事だよね?
彼等も凄かったんだ…

「秀徳高校のシューターは緑間真太郎。…彼は、私達が二人がかりでも止める事は出来なかったわ。
征ちゃんがいなかったら、洛山も厳しかったわね」

この玲央姉様も、緑間君と対戦したんだ…
知っていたら観に行ってみたかったかも。
「…そう言えば、緑間君って、貴女が好きな人、なのよね?」
玲央姉様の問いに、私は顔を赤くして頷く。

『はい。でも彼は、真面目で男女交際には興味が無いみたいで…告白した人は皆断られてるって』
「貴女以外には、ラッキーアイテム貰っている女子はいるの?」
『…それは…分からないです。私がドジだから、見るに見かねて色々くれたりはしますが』
「でも、普通に考えて、誕生日や星座まで把握するって無いと思うのよねー」
『おは朝信者でも、ですか?』
「…聞いていると、相当の変人よね、彼。コートではそう思った事は無かったけど…うーん。
いっそ、征ちゃんにでも聞いてみようかしら…?」


店を出て、繁華街を歩いて行く。
玲央姉様は、チラリと周りに視線を走らせると、いきなり私の手を掴んで走り出した。

『えっ…!??』
何?どうしたの…???

「こっちよ!!!」

何が何だか分からないままに、私は慌てて足を動かした。


「ここまで来れば大丈夫ね」
公園まで走って来て、漸く玲央姉様は私の手を離した。
そして、息を切らせて喋る事が出来ない私を、心配そうに覗き込む。

「ご免なさいね、走らせちゃって。名前ちゃん、大丈夫…?」
『あっ…はい!…玲央姉様、何があったんですか?』

「何が…そうねぇ…」
玲央姉様は、辺りをゆっくりと見渡すと、私をベンチに座らせた。
そして、近くの自販機で買った温かい紅茶を渡してくれた。

私はその温かい紅茶を飲んだ。
じんわりと身体の中から温まる。
玲央姉様は、私の隣に座った。

「さっきのはね、名前ちゃん。貴女、つけられていたのよ」
『えっ!?…誰がそんな事…?』
私の問いに直接答えず、玲央姉様は艶然と微笑んだ。
女である私が見惚れる程、艶っぽい彼。

玲央姉様は、私に顔を近付け、耳元で囁いた。
「…それはね。……知りたい?」
『ええ…あの…っ』
私は、近過ぎる距離に戸惑って、身体を思わず引いてしまう。が、すぐに背もたれに当たってしまった。

玲央姉様は、両腕で私を挟み込む様に、ベンチの背もたれに手をかける。
何で…こんな体勢になってるの?
私の頭の中で警鐘が鳴り響く。

彼の顔が近くまで寄せられ、私は目を瞑って俯いた。
『………っ!!!』

「止めろっ!!!!」

その時、響いた怒号に、私は顔を上げた。

私に迫る玲央姉様の後に、緑間君が青ざめて、身を震わせながら立っていた。

玲央姉様は、振り向いてつまんなそうに鼻を鳴らす。
「あらやだ。貴方、他人のラブシーンを見るのが趣味なの?」
「実渕。苗字を離せ!!」
『み、緑間君…っ!?』

玲央姉様は、固まる私に抱き付いて、挑戦的な目付きで彼を見上げた。
「離さないわよ。大体貴方、この子の彼氏じゃ無いんでしょ?
どうしてそんな事、アタシが言われなくちゃならないのかしら…?」

「…くっ!!」
緑間君は悔しそうに唇を噛み、拳を震わせた。

「見ていたいなら勝手になさい。私は、やりたい様にやるだけだから」
と言いながら、玲央姉様は私を引き寄せる。
『玲央姉様…何で…?』
私は混乱した。今まで、私が緑間君の事を相談した時は、励ましてくれたのに。

そして、玲央姉様の息がかかる距離まで迫った時、私は声を絞り出し、出せる力の限り抗った。
『いやっ…!!緑間君、見ないで…っ!』
「苗字っ!!!」

緑間君は俯いていた顔を上げると、私から玲央姉様を引き離した。
「何をするの!?」
玲央姉様の抗議に、緑間君は私を背に庇って言い返す。

「何をするの、だと?…好きな女が他の男に取られるのを、黙って見ていられる筈がないのだよ…っ!!」

……え?

それを聞いた玲央姉様は、フッと微笑んだ。
「やっと…言ったわね?」
「なん…だと?」

驚愕に目を見開いた緑間君に向かって、玲央姉様は淡々と説明した。
「名前ちゃんから貴方の話は聞いているわ。貴方が、この子を好きだってのもすぐに分かった。でも、この子も貴方も…」
ここまで言ってから、はぁ…っと溜息を吐く。

「じれったいのよ、貴方達っ!!!!そこまで互いが好きだってんなら、グズグズしてないで、さっさとくっついておしまい!!!!」

『ね、姉様…』
「……む」
私と緑間君は、気圧されて二の句が告げなかった。


緑間君は、振り返って私を見た。
「…俺は苗字が好きだ。……苗字は俺の事…どう、思っているのだよ?」

さっき、姉様が言った通りです。では、駄目なんだろうなぁ。
私は覚悟を決めて、緑間君の目を見返した。…顔が徐々に熱くなっていく。
私は一気に息を吸い込んだ。

『私も…っ緑間君が好き、です!』

私の返事を聞いた緑間君は、眼鏡のブリッジに手をかけ俯いた。

『……?』
私が彼の顔を覗き込もうとしたら、彼は私の顔の前に手をかざした。
「…見るな…っ!!」

私は彼の手を掴み、顔からずらす。
『……っ!?』
緑間君の眼鏡を押さえている指の隙間から、真っ赤になった彼の顔が見えた。
赤面した彼を見ていたら、私まで照れてしまった。

そんな私達を見ながら、玲央姉様は微笑んだ。
「良かったわね、名前ちゃん。緑間君、この子を泣かしたら、私がタダじゃおかないわよ…?」
「…肝に銘じるのだよ」


「真ちゃんっ!!??」
高尾君が来て、私達を見るなり、盛大に顔を引き攣らせた。
「あら、貴方…?」
「げっっ!!?」

玲央姉様は、高尾君の反応に顔を顰めた。
「何よ、失礼ね!…折角、私好みのイケメンだと思ったのに!!」
「名前ちゃん、助けて!!」
高尾君は私を盾にしてしがみつく。

「高尾、苗字は俺のだ。しがみつくのは止めるのだよ!!」
と、言いながら緑間君は高尾君を引き剥がした。

「ちょっ…!?真ちゃん、俺のって…?いつの間に!?」

それに、玲央姉様は容赦なく高尾君の襟を掴んで引き摺って行く。
「そーゆー事よ。さ、お邪魔虫は消えるわよ!!」
「真ちゃーん、助け…っ!!」
「悪く思うな、高尾」

冬空に、高尾君の悲鳴が響いていた。

『高尾君…大丈夫かなぁ?』
私の疑問に、緑間君は眼鏡を上げながら呟く。
「…あれでも、実渕はノーマルだと思うのだよ。…それよりも名前」
『はい?』
「今は、俺の事だけを考えるのだよ」

緑間君は屈んで、私の顔に手をかけ上を向かせ、ゆっくりと唇を重ねた。

唇を通して、彼の気持ちが甘く流れ込んで来る。
私は、彼の背に腕を回した。


END

※※※

夢主の友人に緑間が嫉妬する話、とのリクをいただきました。

初めての玲央姉…書いていて、中々楽しかったです。
微妙に高尾に←出している様に思えるのは、やっぱりコミックスでのNG集のせいでしょうか?

一応、firstにもある様に、このサイトでは腐向け無しを謳っているので、
緑間が言っていた通り、ここではノーマル設定としておきますw…高尾の為にもw

友人を玲央姉設定にしたのはノリです。
実際の彼のイメージは結構男前なので、表現出来てるなら良いのですが。

リクくださった方、ありがとうございました!




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