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カラフル鍋party!-1-




Riq.no14 (緑間長編夢主・キセキ達と鍋パーティ)

*設定 夢主はRhapsody in Greenの主人公 時期はWC後

※※※

WCは、洛山を下した誠凛の初優勝で幕を閉じた。
私は、久しぶりに時間がある程度空いたであろう、彼氏である真太郎にデートを提案してみたが、
その日は都合がある、と申し訳なさそうな表情で断られてしまった。

残念だけど、既に先約があるなら仕方がない。
また別の日に望みをかける事にした。


『あーあ…折角久しぶりの休みが出来たのに…暇だなー』
私は一人、リビングのソファーで、小説を読みながらゴロゴロしていた。

ピンポーン♪

不意に玄関のベルが鳴る。
『…誰だろ?』
宅急便とかかな?等と思いながら、ドアスコープで確認すると、思いがけない人物を認めてぎょっとする。
私は急いでドアを開けた。

そこには、青峰君が切羽詰まった表情で立っていた。
「…よぉ、名前。急に来ちまって悪ぃな」
『あ、あの…?大輝君、どうしたの??』
「今、暇か?」
『あ…まぁ、暇っちゃ暇だけど』
「そっか。じゃ、一緒に来い」
『…は!?』

青峰君は強引に私の腕を掴み、玄関から引きずり出そうとした。
『ちょ、待て待て待て!!!何なの!!???』
「グズグズすんな。早くしろ」
『訳を話してよ!!』
「後でな。今は俺達の命が危険に晒されてんだ。緑間も例外じゃねーぞ」
えっ…!?

私はピタリと抵抗を止めた。が、そのまま外に引っ張り出されそうになって、慌てる。
『大輝君! お願いだから、出る用意だけでもさせてよ!!』


『…で?一体、どこに行くのよ?』
私は、横で高い背をやや丸めて歩いている青峰君に訊いた。
「あ?…俺ん家」
やっぱり話が全然見えない。

『…何故? それに命が危ない、真太郎も…って?』
「ああ……俺達が久しぶりに全員東京に揃ったからって、赤司の発案で同窓会兼ねた忘年会をやる事になったんだよ。
そこでさつきがな…丁度俺以外の家族が旅行行ってっから、俺ん家で鍋パーティーやるって言い出しやがってよ」
『へぇ…』
青峰君は頭をガシガシと掻いた。
「別に俺も、それは構わねーんだが…よりにも寄って、そのさつきが腕を振るうって宣言しやがったんだよっ!!!」
『…………え゛?』

今、私…何か凄い事を聞いた様な……???

固まった私に合わせて足を止めた青峰君は、私を鋭い視線で見やる。
「おめー…確か料理出来んだよな…? ここまで言や分かるだろ」
私はこくこく頷いた。
それは…桃井さんには悪いけど、大惨事になる…予感しかしない。

「だから、名前。まともな鍋料理作ってくれよ。なに、食えりゃ文句は言わねえ」
私は額を押さえた。『…ぜ、善処します』
「おう。頼むぜ」
青峰君は、ほっとした様に口元を緩めると、私の背を軽く叩いた。

※※※

それで、私は青峰さん家にお邪魔した。
「名前を連れて来たぜー」
『お、お邪魔しまーす…』
「おう、上がれ」
私は恐る恐る青峰君の後に続いて玄関から上がる。
「あっ!名前ちゃん!?」
『さつきちゃん?』

キッチンの手前で立ち竦んでいた桃井さんが、私を見付けて走り寄る。
「酷いんだよー? きーちゃんとミドリンがタッグ組んでキッチンに入れてくれないのー!」
『…あ、はは…それはそれは…』

桃井さんに対して、青峰君は不機嫌に応対した。
「たりめーだ!俺達の命がかかっているんだからな!!おめーはリビングにでも行ってろ!」
「酷い!!大ちゃんの意地悪っ!!!」
こ、これは下手にフォロー出来ないなぁ。桃井さんの料理スキルはマジで破壊神レベルだからなー……
私は、かつての帝光での洒落にならない出来事の数々を思い出し、遠い目をした。

「…名前」
『真太郎…先約って、ここだったんだね』
私はキッチンの入り口に立っている真太郎に気まり悪げに苦笑した。
『へへ…来ちゃった。ごめんね?』
真太郎は軽く目を瞠った。
「…何故、謝るのだよ?」
『いやー…だって、これって帝光バスケ部一軍レギュラー達の集まりでしょ? 私は部外者だし…ね』
「…いや。来てくれて助かるのだよ。料理は俺もからきしだからな。…頼むぞ」
『うん』

黄瀬君が駆け寄って来た。
「綽名っちー!俺も手伝うっスよ!」
『あ、ありがとー。涼太君』

「苗字、来たか」
赤司君がリビングから歩いて来た。
『あ、赤司君!?』うわぉ。WCぶり。
「すまないな。俺ん家の料理人は生憎長期休暇中で、仕出し弁当はイヤだと言われたのでな」
……最近の高校生は贅沢だな、オイ。仕出し弁当も赤司家のならきっと最高級なんだろうに。

「それで、代わりに京都から特別に豆腐を取り寄せておいた。俺は湯豆腐が希望だ」
うわー…京都の湯豆腐とか…
『……それは、是非私も食べてみたいですね』
赤司君は軽く眉を跳ね上げた。

「…ほう。苗字も湯豆腐が好きか?」
『湯豆腐は普通に好きですけど、京都の最高級のは滅多に食べられないので。味が全然違いますからね』
赤司君は顔を綻ばせた。笑うと、彼も年相応の雰囲気になる。
「苗字は良く分かっているな。では、頼んだぞ」
赤司君は、私の肩を軽く叩いて戻って行った。
この湯豆腐は普通に鍋に入れるのは勿体無いから、別に作る事にしよう。


『真太郎、食器出して置いて』
「ああ。人数分でいいな」
『涼太君、お米洗って』
「任せるっス!」

私は彼等に手伝って貰いながら、白菜や葱等や肉魚の食材を洗ったり切ったり、鰹や昆布で出汁を取ったりしていた。
何せ食べ盛りの男子高校生が五人もいるのだ。いくら用意しても足りない様な気がする。

リビングでは、桃井さんと青峰君の言い合いが続いているのか、賑やかだ。

横で黄瀬君が作業を続けながら爆弾を投下する。
「こんな風に綽名っちと一緒に料理を作ってると、何だか俺達新婚夫婦みたいっスね!」
『えっ…?』
よりにも寄って、真太郎の前で何て事言うんだ!?この男はっ!!???

直後、真太郎の拳が黄瀬君の頭で炸裂していた。
「黄瀬っ!!ふざけるな!!名前は俺のなのだよ!! 夫婦になるなら俺とだ!!!」
「ちょ、緑間っち!冗談っスよー…痛いっス!!」
「冗談でも許さん!!!」
私は慌てて真太郎を宥めた。
『落ち着いて真太郎!』
「……名前、俺は落ち着いているのだよ…!」
いやいやいや、なら、その振り上げた中華鍋は下ろそうか?

「…はぁ。少しは本気入ってたんスけどねー…」とか、
黄瀬君の恐ろしい呟きが聞こえて来た様な気もするが、きっと気のせいだ。


カセットコンロを持って行き、食卓で据え付けると、紫原君がのっそりとお菓子を食べていた。
「綽名ちん、お菓子持って来てない〜?」
『今日は大輝君に、いきなり連れて来られたから持ってないよ』
「ちぇー…」
『そんな事言って!まいう棒沢山持ってるから良いでしょ?』
「こんなん、すぐ無くなるし〜」
うわぁ。まいう棒大袋も彼には飲み物レベルか。
『……もうすぐ、ご飯出来るから程々にね!』
「大丈夫ー」と言いながらポテチの袋まで開けている。
…相変わらず自由過ぎるなぁ。




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