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Attack on Purple-1-




Riq.no15
(緑間長編ヒロインが、紫原にお菓子で追っかけられる話)

*夢主設定 Rhapsody in Greenの主人公。帝光中・二年秋

※※※

今日は体育祭。

午前の部が終わり、昼休み終りに応援団が賑やかし、午後の部が始まった。
午前の部は団体競技、午後は個人競技が中心だ。
帝光中は、運動部が強豪の所が多いので、体育祭は部外者の見学も多く、華やいでいる。

それが終わる頃に、クラブ対抗リレーが運動部系と文化部系に分かれて催される。

運動部はカテゴライズ分けされ、球技部、個人競技、格闘技系と男女別にそれぞれ組まされる。
その結果が、来年の生徒会の予算審議に考慮されるらしいので、どのクラブも必死だ。

そして、それは文化部も同様で。
だがしかし、文化部は運動部の様に速さでなく、パフォーマンスの出来を競う。
父兄を含めた生徒達のアンケートで結果が出る。

私は美術部と料理部を兼ねているが、美術部は平部員で料理部では副部長をやっている。
そして、運動音痴にも関わらず、料理部でのアンカーにされてしまった。
何で部長がやらないんだ!? 部長命令とか横暴だ。

最初は運動部系から始まる。
帝光はスター選手が多いので、熱気と声援が満ち溢れる。
バスケ部はバトン代わりのバスケボールを持って走り出す。

「うわー…バスケ部ぶっちぎり…」
『黄色い声援もぶっちぎりだねー』
まるで帝光女子生徒の大半が、俄かの応援団に変貌したかの様だ。

次に出る為にスタンバイを始めている私達も、彼等に視線が自然に吸い寄せられる。
黒い弾丸の様に、みるみるうちにサッカー部やテニス部を引き離して行く選手を見た私は、呆れた様に呟いた。

『アンカー青峰かよ。…反則だろ、あの速さ。…陸上部とやれよ』
「陸上部は一応ハンデ付けてるけど…無くても勝てなそう…」
「男子バスケ部なら、パフォーマンスしてもしなくても、アンケートでも一位取れそうね」
…全く。奴等が運動部で良かった。


「苗字さん」
私は声をかけられて振り向いた。
『わー、美術部!?凄いっ!』
思わず美術部部長を見て、感嘆の声を上げた。

美術部の部員の首から下の全身は、肌色のボディスーツに包まれ、あちこちが彩色してあった。
所謂なんちゃってボディペイント、と言った所か。それに恐らくカンバスかトルソーでも持って走るのだろう。
部長は不機嫌に顔を顰めた。
「…アンタも一員なんだけど?」
『すみません!!…こっちの方の副部長にされちゃったんで、美術部は私抜きでやってー』
「……まぁ、アンタ遅いしね。速さ競う訳じゃないからいいけど」
『……それを言われると凹むわー」

「…それにしても…」美術部部長は私達料理部員の女子の姿を見て溜息を吐く。
「あんた達も中々あざといわよね。メイド服なんて」
『因みに男子は執事服でーす!文化祭の時のを借りました!!』

文化部は、走り易さよりパフォーマンス性だ。
私達はこれに焼き菓子をバトン代わりに抱えて走る。

バトンを落とすだけなら拾えば良いけど、失くしたり壊したりしたら失格だ。
パウンドケーキを箱に入れて包み、籠に入れたのを持って走る事にした。

「…美味しそうね」
私は慌てて伸びて来た手を払った。
『…っ!あげないわよっ!!!』
「料理部はそれがバトン代わりなのね。…やるわね」
『まぁ、私は両方に入ってはいるから、どちらが勝っても良いけど』と言ったら、料理部部長に睨まれてしまった。

「名前、焼き菓子以外にも何か入ってるの?」
美術部部長は籠を覗き込む。
『ピーチ味のキャンディー。蟹座のラッキーアイテムです!』
キャンディーは私物だ。後で皆に配って食べようと用意していた。一粒ずつ包んである。

「何それw 緑間君か! アンタまでおは朝信者に!? てか星座も一緒か!!?」
私は、おどけて顔を顰め、エア眼鏡の中心に手を掛けるゼスチュアーをする。
『俺のシュートは落ちん!』
「きゃはは!!!止めてえ〜」「似てねーわ!!」
周りから総突っ込みが入った。

※※※

-黒子side-

僕はぜえぜえと息を切らしてました。
負けたら後が怖いので、必死に走りましたが、結局抜かれました。
…後で軽く取り返して貰いましたけど。

「何だテツ。大丈夫か?」
青峰君はアンカー走って来たばかりなのに、殆ど息を乱していません。
同じ人間とはとても思えません。

緑間君はフッと安心した様に息を吐き出し、赤司君に話しかけます。
「バスケ部が一位だな。全中も優勝したし、来年の予算も盤石なのだよ」
「まぁ順当な所だろう。我々は優勝以外は有り得ない」
当然だけどね、と赤司君が不敵に微笑みます。
どうやら悔しいですけど、僕が抜かれるのは想定内の様です。

黄瀬君は、青峰君に嬉しそうに絡んでいます。
「これでまたファンが増えるっスね! 最後のぶっちぎりは最高っだったっス!青峰っち!!」
「…おー。…まぁ、楽勝だったな」

「……お腹空いたー…お菓子な〜い?」
紫原君は座り込んでお腹を撫でてます。それに僕は咎める視線を向けました。

「…紫原君、さっき食事時に食べてませんでした?」
「もう全部食べて消化しちゃった〜。黒ちんよりも俺走ったし。お菓子持ってなーい?」
「すみません。持ってません」
…微妙にイラッとしますね。

緑間君も苛立ってます。
「紫原っ!立つのだよ。次の競技が始まるぞ」
「え〜?面倒臭いー。つかミドチン、そのキャンディー頂戴?」
「なっ!? これは蟹座のラッキーアイテムだ!お前にやる訳にはいかん!!」

緑間君はサッと後ろ手に隠します。
それに紫原君は不満気な声を上げました。
「ミドチンのけちー!」
「ふんっ!」

スタート地点に色々な姿をした文化部が集まり始めました。

僕はそれに目をやりました。
「次は文化部のリレーですか。男女混合なんですね」

赤司君と黄瀬君も興味深げに見ています。
「文化部は速さではないからな。ダンス部も文化部のカテゴリに入っている」
「踊りながら走ると、速く走れないっスからね」

青峰君は、その中の一群に目を付けた様です。
「お、あのメイドコスは何だ?」
…青峰君、目が爛々と輝いてます。…好みなんでしょうか?

「苗字さんが加わってますから、料理部でしょう」
緑間君は眼鏡の手をかけて彼等を眺めます。
「…苗字は美術部ではないのか?」

……緑間君は苗字さんの事が気になるのでしょうか?
それにしても、彼女はメイドコスがよく似合ってます。あれには僕の視線も思わず釘付けになりました。

「苗字さんは料理部も兼部しています。美術部はあっちだと思います」
青峰君は驚いた声を上げました。
「うわっ!?すっげー格好…っ!」
「ボディペンティングですよ。肌色のボディスーツを着ていると、ぎょっとしますけどね」
あっちの姿の苗字さんも見てみたかったかもしれない、等と考えたのは内緒です。

そろそろ文化部部門のリレーが始まります。
僕達は見易い場所に下がりました。

※※※

-名前side-

「さて、そろそろ私達も出なきゃね」
部長の声で、私達はスタート地点に整列する。
ピストルの音と共に、其々の部を象徴する恰好をした選手が一斉に走り出す。

意外と執事服とメイドコスの料理部が健闘していた。
声援も割と多い。

私はメイド服のスカートの裾を引っ張った。
……これって結構、走り難いよな…
靴だけは運動靴にしている。革靴で運動場を走りたくないもんね。

そして、私がアンカーとして、スタンバイに入った。
走者が来るのを待ち構えて、少しずつ籠を受け取るべく合わせて走り出した。




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