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桃井の舞台裏日記




Riq.19-2 追記☆

(桃井が写メを見る〜桜井のリアルキャラ弁まで)

※※※

-桃井side-

朝練終わってから携帯を確認すると、名前ちゃんからメールが届いていた。
「ん〜?件名…作ってみました、って。何だろ?」
私は添付ファイルを開いた。「うっわー!!??凄っ…!!!」

そこには、赤司君そっくり…まるで本人が、そのまま弁当箱に収まっているかの様なキャラ弁が映されていた。

「えーと…何々?…本日の蟹座のラッキーアイテムです♪真太郎君にキャラ弁作りました……?」

名前ちゃんの愛妻弁当かぁ…いいなー。ミドリンとラブラブなんだー…
私もテツ君に作って…あげたいなー……

私はふわふわと、愛するテツ君への気持ちに擬えてうっとりする。

「あっ、これ、私だけが見るの…勿体無いよね!」
私は、この写メを「ミドリンの彼女の名前ちゃんの作った愛妻弁当だよ(ハート)」
と説明文を入れて、テツ君ときーちゃんとむっくんと赤司君に送った。


間もなく返信が来た。

「あっ、きーちゃんから!…"愛妻弁当…って、これっスか!? 凄く上手いけど…怖過ぎっス〜!!!
綽名っち、どーゆう才能の持ち主なんスか!?"」

「むっくんからは…"すごいね〜! 赤ちんそっくりー。今度、綽名ちんに赤ちんのケーキ作って、と伝えといてー"?」
……むっくん、赤司君そっくりのケーキ…食べたいのかしら…??」

「キャー!!テツ君からーーー!!!来たぁぁぁぁぁ〜〜〜━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!」

あ、いけない、いけない…SHR中だった。先生だけじゃなく、皆に興奮する所見られちゃった。
私はドキドキする気持ちを抑えて、こっそりと文面を開く。

「……"これ、凄い、としか言い様がないです。火神君にも見せたら、教室の隅っこまで逃げちゃって震えています"」
あはは…かがみんには悪い事しちゃったかな…?

「あ、赤司君からも返信が来てる!!? …"中々の出来だと思うよ。…真太郎がどんな顔して食べるのか楽しみだ"…?
うわぁ〜…ミドリン、ご愁傷様…」

※※※

放課後、私は早速桐皇の部員達に見せる。
「ねー、見て見て!!これっ…!」

「うっわー…何やこれ!? 赤司征十郎やろ? リアル過ぎてヤバいわ」
「こ、これは…凄いな…!」

今吉先輩と諏佐先輩は感心した様に携帯画面を凝視した。

「あれ、キャプテン。何なんスかー?」
若松先輩が入って来た。
「おー、若松か。これ、見てみーや。中々の力作やろ」
「んー? ……!!!???うげぇーーーっ!!ひぃっ!!」

あ、若松先輩も、体育館の端っこまで逃げて、しゃがんで震えている。

「スミマセン!日直で遅くなりました、スミマセン!!!」
「あ、良君?」
「お、桜井もこれ見てみぃ」

桜井君は、私の携帯の写メを暫く無言で見つめていた。
真剣な表情で尋ねる。

「……これ、キャラ弁…ですか?」
「ちょーっとリアル過ぎなキャラ弁やな」
「…………」

桜井君は写メを見て、キュッと下唇を噛んだ。
その時、桜井君の雰囲気が、試合中みたいなピリリとした雰囲気に変わった。


次の日から、桜井君は、熱心にスケッチブックに何やら描き出す様になった。

「桃井さん、…これを見てください」
「あれ、なーに? ……リアルな熊だねー? …こっちは…堀北マイ…ちゃんだね? 良君、絵上手いね!!」
「漫画…描くの好きなので…」
「? これ…マイちゃんと熊で漫画描くの???」

どんな話になるんだろう…??と思いつつ聞いてみる。が、彼は頭を振った。

「…いいえ。これは…あくまでデザインを決める為の習作です」
「………デザイン???」

やはり分からなくて尋ねるけど、桜井君は挑戦的な瞳で何かを見据えている様だった。

※※※

いつもの様に、バスケ部の面々で、体育館で昼食を摂っていた時。
「うわあああああああああ〜〜〜!!!!」

体育館から大ちゃんの盛大な悲鳴が聞こえた。
「良っっ!!!テメー、何だこりゃーーーーっっっ!!!???」
「何って…キャラ弁の試作です!」

そのお弁当はクマを模って…はいたが、そのクマはとても「可愛いキャラ弁」とは言えない代物だった。

蓋を取ったら、凄くリアルな熊が噛み付きそうに牙を剥き出して、正面から威嚇していた。
一見、毛に見えるのは、鰹節かな? ケチャップで、血みたいに描写しているのが何気にグロい。
元の容れ物であるお弁当箱は、可愛いクマキャラなだけに、否応も無く違和感が引き立っていた。

あ、大ちゃん、引きまくっているw
桜井君は、大ちゃんに弁当を差し出した。
「青峰さん、いかがですか?」
「…………」

ああ…大ちゃん、あれでも結構繊細なんだよねー…
リアルキャラ弁の熊に威嚇されたショックで固まってんじゃん。

「……いや、いい」
大ちゃんはふらりと立ち上がると、桜井君の弁当には手を出さずに歩き出す。
そして、入口で振り向きざまに
「良。…今度はマイちゃんの弁当を頼むわ」と言い置いて出て行ってしまった。

マイちゃんなら、リアルに作っても威嚇される事、ないもんねー…
不気味な出来になるかもだけど。

暫く成り行きを見守っていたバスケ部の面々は呆然としている。

「…すっ、げぇ……!!!!桜井が……あの青峰を撃退した…っ!!!???」
若松さんが呟いた。

「えええええぇぇぇぇえええええ〜〜〜!!!???…っ、スミマセン!!!! そんなつもりではっ…!!!!」
「いやいや〜、これはバスケ部初の快挙やでw」
「よくやった!!桜井!!!!」


桐皇バスケ部は、暴君を撃退した桜井君への賛辞で溢れた。

勿論、私は後で、名前ちゃんに事の顛末をメールで報せてあげたよ。
あっちも、ミドリンが食べようとした時に、直接赤司君から電話がかかってきて大変だったみたいだけどね☆


END

※※※

結果的に二編書いてしまったのは、私がリクエスト内容の細部の確認を忘れたせいです。

前の話では、この「桃井が写メを見る〜桜井のリアルキャラ弁まで」とは全然被らない事に気が付きました。
ので、この話を追記させていただきます。

杏梨様、すみませんでした。
重ねてリクエストのお礼を申し上げます。




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