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ご主人様の仰せのままに-1-




Riq.no3 (緑間に頼まれてメイド服を着る)

*夢主設定 高1 秀徳バスケ部マネージャー

※※※

今日はWCで、三位決定戦、相手は海常高校だ。
私は、秀徳バスケ部のマネージャー。
今日は帯同する為、皆と一緒に来た。

皆でバスに乗り込み、会場に着いて…

そこで我がエース様は、とんでもない事を言い出した。

「苗字、お前は今日は、これを着るのだよ」
『……!??』

訳も分からず、緑間君に渡された服一式を広げてみて絶句した。
『…何これ!!??』
私の抗議の意を含んだ問いに、彼は眼鏡のブリッジを上げて平然と答える。

「見て分からないのか、バカめ。メイド服に決まっているだろう」
『何で、私がメイド服着なければならないのよ!?
…しかも全国規模の大会で!!!ふざけんな!!!』
「ふざけてなどはいない。今日の蟹座のラッキーアイテムは"メイド"なのだよ」

何だよ、メイドがアイテムって!? 相変わらずイカレてるな、おは朝は!!!

今日の俺の我儘を一日分、使い切ったのだよ、等とドヤ顔で言われてしまい、私は開いた口が塞がらなかった。

「マジかー、真ちゃん!!俺は大歓迎だな!!!名前ちゃんなら、きっと似合うぜー♪♪」
「高尾…悪いが、苗字は、今日は俺の専属メイドなのだよ」
私の肩を抱いた高尾君から、緑間君は引き剥がして抱き寄せた。

「メイド、であるからには、今日はメイド風に俺に応対するのだよ」

…もしかして、ご主人様、とか言わなくてはいけないのだろうか?

私は頭を抱えたが、ふとある事を思い出した。
『あの。…もしかして、以前、私のスリーサイズと身長を聞いて来たのは…?』
緑間君が、私の身体データを知りたがるって…おかしいと思っていたんだ…

「当然、この服をあつらえる為だ。俺は何事にも人事を尽くす」
『…道理でサイズはピッタリ…じゃなくてっ!!!
私まで巻き込まないでよ!…しかも、秀徳だけじゃなくて、今日はWCなんだよ!?
テレビ中継も入っているんだよ? 全国にメイド服マネージャー晒す気かよ!?』

監督が控室に入って来た。私は走り寄って訴える。
『あっ、監督っ!!緑間君が、私にメイドの恰好をしろ、とか言うんですよ!?』
当然、不謹慎だ。止めさせてくれるだろう、と思った私の目論見は見事に外れた。

「…苗字、その服を着てやれ」
『……っ、本気ですか!?』
「そうでもしないと、緑間の調子が落ちる。今日の相手は黄瀬を擁する強豪の海常だ。
ラッキーアイテムでも何でも、勝つためだ。堪えろ」

「………」|||

大坪先輩が、縦線背負った私の肩をポンッと叩く。
「…悪いな、苗字。…お前の犠牲は決して無駄にはしない」
『………犠牲って何!?』

宮地先輩と、木村先輩も気の毒そうに私を見ている。
「…わりぃ。苗字…WC終わってからなら、いくらでも緑間轢いていいぞ」
「パイナップルも、軽トラも貸してやるからな。信楽焼きに比べれば、全然良いよな」
彼等は、私の頭をポンポンと軽く撫でた。

『木村先輩、今…私を狸と比べませんでした?』
「邪魔にならないし、見栄えもするし、実用的だよな」
「ぶつかっても痛くねーしなw」宮地先輩も混ぜっ返す。

『…狸と比べられて、褒められても嬉しくないです…』
私が溜息交じりに言うと、高尾君は横で大笑いしていた。…覚えてろ。


私は、丁度隣の更衣室が空いていたので、そこを使わせて貰い、渋々着替えた。…ご丁寧に、ヘッドドレスまで用意してある。
今日は、私は緑間君の"ラッキーアイテム"なので、常に彼の傍にいなくてはならないらしい。

着替えた私を見た秀徳の面々は、一瞬、静まり返った。
私はたじろいだ。…何で静かになるの? 恥ずかしいから、茶化すならさっさと茶化せ。
まぁ…胸はきっちり襟が付いているし、スカートも、膝が隠れる位はあるから良いか。…コスプレっぽいけど。

「……馬子にも衣裳なのだよ…!」
「やっべ。名前ちゃん、超可愛い…!」
リクエストした当人の緑間君は、頬を赤らめて横を向き、高尾君はぼーっと見ている。

着ている当人が一番恥ずかしいんだっつーの!

先輩方も茫然としている。
「…これは…また…」
「いい…みゆみゆっぽいっつーの?」
「似合ってんじゃねーか?」

私が悪ノリして、『蜂蜜のレモン漬けです、ご主人様』と跪いて、緑間君に差し出したら、
緑間君は全身を真っ赤にして身体を強張らせ、他メンバーは悶絶していた…大丈夫なのかな?こんなんで…


時間になるまで、私は忙しく会場内を所用で駆け回っていた。
途中で出くわした人達が不思議そうに私を見ていたが、私はもう自棄になり、開き直っていた。

「何でメイドがいるの…?」
「バスケ選手の、どこかの坊ちゃんのお付きとか?」
「そーいや…洛山の選手が赤司財閥の御曹司、とか言ってなかったっけか?」
「いくら何でも、メイドなんて連れて来るかねぇ?」

残念でしたー!!
私は、なんちゃってメイドです!!!
洛山の赤司君、と言えば、先日うちを負かした所の主将さんだね。
彼には、とんだ濡れ衣を着せてしまっているな…ご免なさい!! 別に意趣返しじゃないです!!

※※※

時間になり、選手に続いてベンチ入りした。
覚悟はしていたが、会場内がいやにざわざわしている。

「何だ?…あれ??」
「メ…メイド服!??…マジかよ?」
「あんなの、アリなの…?」
「あれって…メイドじゃなくて、マネージャーだよな…??」

ほら。言わんこっちゃない。
つか、ここまで来ると、全国に放送されるんじゃなかったっけ?…もう、知らんから。

今回に限っては、私が選手達よりも注目されちゃっている…緑間君のせいだ!
あ、中谷監督が、審判の人と何かやり取りしている。
…私の恰好を指して何か言っている様だけど…違反…はしてない、よね?

私はドキドキしながら、監督に聞く。
監督は頷きながら、「問題は無かったよ」と言ってくれた。…良かった。つか、無くていいのか?高体連!!??

※※※

一方、秀徳マネージャーを見た海常側は大騒ぎをしていた。

「ちょっ…!?何スか?あれ!!??メイドっスか!?」
「おおっ…!!俺の運命の天使が今、そこに…っ!!!御主人様と言って欲しいっ!!!」
「なっなっなっ……!!!!?????」
「○っ△〜×※Ω凵凾チっっ!!!???」

審判に聞きに行った武内監督が、真っ赤な顔して戻って来た。
「監督…審判は何て?」
「〜〜〜っ!!選手のユニフォームに対しての規定はあるが、マネージャーについては特に規定されてない、との事だ。
相手方のマネージャー等に気を取られるなっ!!!打倒、秀徳!!!気を引き締めて行けっっ!!!」

「「「「「おうっっ!!!」」」」」


『何だか…海常の人達、私ばかりをめっちゃ見てない…?』
「試合前だと言うのに、女に気を散らせているとは…嘆かわしいのだよ」
『あんたねぇ…誰のせいだと思っているのよ…?』

大会にメイド服マネなんて、悪目立ちするに決まっているだろ。
私の文句に、緑間君はフッと口元を緩めた。
「流石おは朝。…メイドに敵を翻弄する効果があるとは…!」

翻弄って。『敵どころか、周り皆、全て緑間君には翻弄されているよ…』
「褒めても何も出ないのだよ」
「褒めてねーよ!」

私達のやり取りに、高尾君はゲラゲラ笑っている。
「いや…何つーか…緊張が解れていいわーwww」
「つーか、お前ら。緊張感、無さ過ぎだろ!?相手は海常なんだぜ?」

試合が始まった。
秀徳は、終始有利に進んで行った。




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