05
翌朝。
紗良が学校へと登校していると、途中でカルマに会った。
「おはよ、紗良」
「あ、カルマ君おはよう。今日は早いんだね」
「うん。やりたい事があってさ」
「やりたい事?」
「まーちょっとね」
「……? ねぇ、その袋には何が入ってるの?」
カルマの手には大きめのビニール袋が提げられていた。
「あぁ、これは……」
カルマはニヤリと笑うとこう言った。
「タコだよ」
「……タコ?」
紗良はキョトンとして聞き返す。
「そう、タコ」
「タコって……あのタコ?」
「うん。触ってみる?」
紗良はおそるおそる、ビニール袋越しにそっと触れてみた。
ぐにゃりとした。
どうやら本当にタコのようだ。
「……。な、何に使うの……?」
「んーそれは、教室についてからのお楽しみ」
やがて2人は旧校舎へと辿り着き、カルマは教室に着くなりビニール袋の中からタコを取り出し、教卓の上に乗せた。
そしてそのタコに、何の躊躇いもなくナイフを突き立てる。
クラスの皆はギョッとした様子でカルマの行動を見ていた。
「カ、カルマ君、何してるの!?」
紗良は焦った様子でカルマに問いかける。
「何って、見ての通りだけど?」
カルマはあっけらかんとしてそう答えた。
「ど、どうしてこんな事するの……?」
「……殺すならまず、心からじわじわと、ね」
カルマは精神的に先生を追い詰めていくつもりのようだ。
しかし、このカルマの作戦は失敗に終わる。
カルマの用意したタコは、殺せんせーによってあっという間にたこ焼きへと作り替えられてしまったのだ。
「あっつ!!」
口の中にアツアツのたこ焼きを放り込まれるカルマ。
「先生はね、カルマくん。手入れをするのです。錆びて鈍った暗殺者の刃を。今日1日、本気で殺しに来るがいい。その度に先生は君を手入れする」
「……!!」
「放課後までに、君の心と体をピカピカに磨いてあげよう」
殺せんせーとカルマとの間に、見えない火花がバチバチと散っていた。
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