06
その日、カルマは何度も殺せんせーに暗殺を仕掛けるがどれも失敗に終わり、その度に手入れをされてしまっていた。
カルマは苛立っている様子で、紗良はずっと話しかけられずにいた。
そして放課後。
(あれ? カルマ君どこに行ったんだろう……?)
気づけばカルマの姿が消えていた。
荷物は残っているので学校内のどこかには居るのだろう。
「渚君、カルマ君知らない?」
「あれ? 居ないの?」
「うん。一緒に帰ろうと思ってたのに……」
「……うーん、心配だし探してみよっか」
旧校舎はそんなに広くないので、探す場所も限られている。
カルマを探しながら、紗良はつぶやく。
「……カルマくんが先生を殺すことにこだわってるのは、やっぱり大野先生の事があったからなのかな……」
「どうだろうね。その事は僕も詳しく聞いてないんだけど……。でもカルマくん、紗良ちゃんが自分のせいでE組に落ちちゃった事、気にしてたみたいだったよ」
「そう、なんだ……」
「……あ、あれカルマ君じゃない?」
校舎内を探しても見つからなかったので外にでると、すぐにカルマの姿は見つかった。
崖の端に生えている木の上に座り込んで、爪をカリカリと噛んでいる。
2人はカルマに近づいて、声をかけた。
「カルマ君……」
「焦らないで、皆と一緒にやっていこうよ」
「……やだね、俺がやりたいんだ。変なトコで死なれんのが一番ムカつく」
「……」
紗良も渚も、何と声をかければいいか分からず黙ってしまう。
「さて、カルマくん。今日はたくさん先生に手入れをされましたね」
いつのまにか殺せんせーがやってきていた。
カルマはゆっくりとこちらを振り向く。
「……確認したいんだけど、殺せんせーって先生だよね?」
「? はい」
「先生ってさ、命をかけて生徒を守ってくれるひと?」
「もちろん、先生ですから」
「そっか、よかった。なら殺せるよ。確実に」
カルマは銃を構えると、地面を蹴って、崖から飛び降りた。
「カルマ君っ!!?」
紗良はサッと血の気が引くのを感じた。
下は絶壁で、普通なら落ちれば死ぬ高さだ。
殺せんせーはものすごいスピードで紗良と渚の横を通り過ぎ、落ちていったカルマを追いかける。
渚も慌てて崖の方に駆け寄っていったが、紗良は怖くて見に行くことが出来なかった。
(お願い、無事でいて……!)
紗良は胸の前でギュッと両手を握り合わせ、ただただカルマの無事を祈っていた。
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