04


「この手書きのプリント……どういうことか説明してくれるね? 紗良」

学秀に鋭い視線を向けられ、紗良は目を泳がせる。

「あ、その、これは……。担任の先生が……て、手書きで書き写してくれて……」

「あの短時間で全員分? そんな事は不可能なはずだ」

普通の人間なら確かに不可能だろう。
しかし殺せんせーはマッハ20の超生物だから可能なのである。
……そんな事を言えるはずもなく。

「え、えーっと……」

「E組のことで、何か隠してるんじゃないか?」

「な、何も隠してない、よ……?」

「嘘はよくないよ、紗良」

「うぅ……」

学秀に詰め寄られ、紗良は冷や汗を流す。

「さぁ、僕に正直に話すんだ」

学秀の目は完全に支配者モードになっていて、こうなってしまってはもう逃げられない。
しかし殺せんせーに関する事は国家機密なので素直に話すわけにもいかない。

(ど、どうしよう……!)

その時、ここに居るはずのない人物の声が聞こえてきた。

「浅野クン〜。久しぶり」

その声に学秀はゆっくりと振り返る。

「……赤羽」

学秀はカルマの姿を見て、顔をしかめた。

「カルマ君……!」

紗良は、とりあえず助かった、とほっと胸を撫で下ろす。

「何しに来た。集会さぼってたんじゃなかったのか」

「暇だったから紗良の迎えに来たんだよ。そしたらまさか浅野クンに迫られてるとはねー」

「話し中だ。どこかに行ってくれないか」

「紗良は話したくないみたいだけど?」

2人が言い合っていると、少し離れたところから学秀を呼ぶ声が聞こえてきた。

「浅野くーん。理事長先生が呼んでるらしいよー」

「……チッ」

学秀は小さく舌打ちをする。

「呼んでるって。行ってきたら? 紗良、戻ろっか」

「そ、そうだね。ごめん学秀君、私戻るね」

これ以上学秀に追求されても困るので、帰らせてもらうことにした。
学秀は仕方なく、といった様子で了承する。

「……分かった。じゃあまた連絡するよ、紗良」

「う、うん」

「連絡なんてしてこなくていいって」

学秀はカルマの事をキッと睨みつけると、足早に去って行った。

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