03
「うーん……」
紗良は目の前に出された2枚のカードを見つめて頭を悩ませていた。
「好きなの引きなよ」
カルマは悪戯な笑みを浮かべながらそう言った。
紗良はカルマの表情を伺いながら、カードを引こうとそっと手を伸ばす。
するとカルマは笑みを深くして、惑わすようにこう言った。
「へえ、そっちにするんだ?」
その笑みにぞくりとして、紗良はついとっさに隣のカードを選んでしまった。
結果は、ジョーカー。
「ああっ!!」
「はい、残念〜」
カラカラと笑うカルマの隣で、紗良はガックリと肩を落とす。
「紗良ってホント、思い通りに引っ掛かってくれるよね」
「うぅ……。もう、カルマ君の隣やだ……」
こんな調子で、紗良はカルマに惑わされっぱなしだった。
見かねた渚が紗良にアドバイスを送る。
「紗良ちゃん、もうカルマ君の言葉は聞かずに、最初に決めた方をサッと引いちゃった方が良いと思うよ」
「うん、そうだね。次からそうする……」
「渚君、紗良に余計なアドバイスしなくていいから。あ、俺上がりー」
「またカルマ君が一位かぁ」
カエデが少し悔しそうにそう言った。
「私も、上がり」
おしとやかな笑顔で神崎が言う。
「神崎さんもなかなかやるな!」
神崎は意外とゲーム全般が得意なようだ。
杉野は自分は負けているのに、神崎が勝つと嬉しそうだ。
「勝てる気がしません……」
奥田の言葉に、紗良が同意する。
「私も……」
「くそー! もう一回だ!!」
杉野がそう叫んで、ゲームが再開された。
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