04


「皆の飲み物買ってくるけど、何飲みたい?」

トランプが一段落して、神崎が飲み物を買って来ると言うので、女子4人で買いに行くことになった。
車内販売の場所へと歩きながら、紗良が呟く。

「煮オレ売ってるかなぁ」

紗良はカルマから煮オレを買ってきて欲しいと頼まれていた。

「変わった名前の飲み物ね……?」

「うん。カルマ君、煮オレシリーズお気に入りみたいで」

「そういえばよく飲んでるよねー」

「あれって美味しいんですか……?」

「前に飲ませてもらったことあるんだけど、すごく甘くて、でも意外と美味しかったよ」

他愛もない会話を交わしながら歩いていると、前から高校生が来ていることに気づかずに紗良は思い切りぶつかってしまった。
その高校生はいかにも不良といった出で立ちで、紗良は慌てて謝った。

「あ、ごめんなさいっ」

電車内で喧嘩を売られるようなことはないだろうと思いつつも、紗良達4人は早足に高校生達の横を通り抜けていった。





高校生達は立ち止まり、遠ざかっていく紗良達の姿を眺める。

「あれ? どこ中よ」

「たぶん、椚ヶ丘だな」

「なんかちょっとイケてなかったか?」

「なぁ、あの娘らに京都で勉強教えてやろうぜ」

すれ違いざまに盗った神埼の修学旅行の日程表を片手に、高校生たちは歪んだ笑みを浮かべていた。
修学旅行に似つかわしくない、不穏な空気がそこには漂っていた。

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