08
不良高校生たちを全員倒し終えた後、カルマが紗良の元へ駆け寄ってきた。
「紗良っ、大丈夫?」
「カルマくん……」
紗良はこくりと頷いて、大丈夫だという事を伝える。
「ほんとに? なんもされてない?」
「うん……」
そう答えると、カルマはほっとしたように小さく息を吐き、紗良を抱きしめた。
「……良かった、無事で」
カルマはそう呟くと、抱きしめる腕にぎゅっと力を込めた。
存在を確かめるかのような力強い抱擁に、紗良は少し苦しさを覚えたが、その苦しさが今は心地よかった。
体から伝わるカルマの温もりに、緊張の糸がゆっくりとほぐれていく。
安心したせいか、ぽろぽろと涙が溢れ出てきた。
「紗良……?」
泣き出した紗良にカルマは驚いて、少し身体を離し顔を覗き込む。
「ご、ごめん……なんか安心したら、涙が……」
「そっか……もう大丈夫だから。気が済むまで泣いていーよ」
そう言って、カルマはもう一度紗良を優しく抱きしめ、あやすように背中を撫でた。
紗良はカルマの胸の中で、しばらく泣いていた。
紗良はひとしきり泣いた後、ゆっくりと顔を上げた。
「落ち着いた?」
「うん……」
カルマは紗良の目に残っていた涙を指でぬぐうと、落ちていた紗良のネクタイを拾い上げ、結んでくれた。
「あ、ありがとう……」
「どういたしまして。じゃ、行こっか。みんな待ってるし」
紗良が後ろを振り返ると、少し離れたところで殺せんせーと4班の皆がこちらを見ていた。
「ご、ごめんね……お待たせ」
「紗良ちゃん、大丈夫だった?」
「うん、みんなありがとう……もう大丈夫だよ」
皆も怖い思いをしたはずなのに気遣う声をかけてくれ、その優しさに心が温まった。
「ヌルフフフ。皆さん無事でなによりです」
「殺せんせーも、ありがとうございます」
「いえいえ。それでは、修学旅行を続けますかねぇ」
外に出ると、空はもう夕日に赤く染まっていて、1日の終りが近づいているのを感じた。
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