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7月。E組に新しい先生がやってきた。

「今日から烏間を補佐してここで働く事になった、鷹岡明だ。よろしくな、E組のみんな!」

政府からの要請で、烏間先生の負担を減らすため、明日からの体育の授業は鷹岡先生が受け持つことになったらしい。
鷹岡先生は烏間先生とはまた違ったタイプの性格で、フレンドリーで親しみやすい感じだ。

彼はたくさんの紙袋を抱えて来ており、その中にはケーキやエクレアといった様々なデザートが入っていた。
どれも高級店のものばかりで、皆の歓声があがる。

「わぁ、美味しそう……!」

「良いんですかこんな高いの?」

「おう食え食え! 俺の財布を食うつもりで遠慮なくな!!」

皆がデザートに群がる中、少し離れた所で頭の後ろで手を組んでつまらなさそうに眺めているカルマに紗良は声をかけた。

「カルマくん、貰いに行かないの?」

「んー……要らない。俺の分は紗良が食べていいよ」

そう言ってスタスタと校舎の方へ戻っていく。

「えっ、カルマ君!?……い、行っちゃった」

その様子を見ていた渚が不思議そうに呟く。

「あれ、カルマ君帰っちゃったの?」

「うん、どうしたんだろう。甘いもの好きなはずなのに……」

いつもなら殺せんせーのデザートを勝手に盗んで食べたりしているのに、今日は一体どうしたんだろうと紗良は首を傾げた。



***



翌日――。

「ねぇ、紗良も一緒に授業サボろうよ」

鷹岡先生の授業の時間になって、カルマが一緒にサボろうと誘ってきた。

「だ、だめだよ」

「えーなんで」

「鷹岡先生来たばっかりだし、サボったりしたら失礼だよ」

「んー。俺気に入らないんだよね、あいつ。態度がわざとらしいと思わない?」

「そんな風には、思わないけど……」

「えー。絶対ろくな奴じゃないって」

そう言うカルマの瞳は冷たさを帯びていて、紗良は少しゾクリとした。

「鷹岡先生、すごくフレンドリーに接してくれて、いい先生だと思うよ……?」

紗良にそう言われ、カルマは少し不満そうな様子だ。

「……いいよ、紗良が行きたいなら行けば。俺はパス」

カルマはそう言うと、教室を出て行ってしまった。

カルマが鷹岡に対して「絶対ろくな奴じゃない」と言った意味を、紗良はこのすぐ後に実感することになるのだった。

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