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「カルマ君、どこいくの?」

授業が始まる直前になって、あくびをしながら教室を出ていこうとするカルマに紗良は声をかけた。

「眠いから寝てくる」

「えっ!?」

「授業中寝るよりは良いでしょ」

そう言ってカルマはひらひらと手を振りそのまま教室を後にした。





午前の授業が終わり、お昼休みが終わる頃になってもまだカルマは戻ってこない。
紗良は少し心配になって、探しに行くことにした。

校舎裏に行くと、気持ちよさそうに芝生の上で寝ているカルマの姿を見つけた。
紗良はカルマの方へと歩み寄る。
足音に気づいたカルマはぼんやりと目を開け、横目でチラリと紗良の方を見た。

「よく眠れた?」

「……うん」

しかし起き上がる気配がない。

「もうすぐ次の授業始まるよ。教室戻ろうよ」

紗良がそう言うと、

「じゃあ、起こして?」

と言ってカルマは片手を伸ばしたきた。

「……」

紗良は一瞬ためらった。
この表情は、カルマがイタズラするときの表情だ。
素直に起き上がるつもりはないのだろう。

紗良はそう思いつつも、差し出されたカルマの手をとる。
すると案の定、そのままぐいっと手を引かれ体を引き寄せらた。

「わっ!」

「つーかまえた」

カルマはしたり顔でそう言うと、紗良をギュッと抱きしめた。

「カルマ君、は、放して……」

少し身じろぎしてそう言うと、

「分かってたくせに」

と、耳元で囁くように言われ、とたんに動けなくなる。
こうなる事が分かっていて紗良がカルマの手をとったことを、彼はお見通しだった。
恥ずかしさが込み上げてきて、耳まで赤くなる。

「このまま紗良も一緒に寝ようよ」

「で、でも、次の授業が……」

「そんなの俺が教えてあげるよ。ほら、いい子だからねんねしなって」

カルマは紗良の髪を梳くようにして優しく頭を撫でた。

「もう……」

完全に子供扱いされ紗良は少し不満を漏らしたが、日差しが暖かくて、頭を撫でられるのが気持ちよくて、自然とまぶたが下がってくる。

「おやすみ、紗良」

薄れゆく意識の中で、カルマの声が心地よく耳に響いた。
紗良はそのままゆっくりと、まどろみの中に吸い込まれていったのだった―――。



お昼寝の時間 end

2015.12.31

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