01
※高校卒業後、大学に入る前の春休みのお話
(本編ではまだ書けてないですが、夢主もカルマ君と一緒に椚ヶ丘高校に進学します)
※大学は別々の大学に進学します
椚ヶ丘高校での3年間が終わり、大学生活が目前に迫っていた。
紗良は大学の近くのマンションを借りて、これから一人暮らしになる。
今日はカルマに手伝ってもらって、引っ越し作業をしていた。
引っ越し先の部屋に荷物を運び込み、もくもくと片づけをしていく。
「これはここの引き出しに入れて、と……」
「紗良、この段ボールここに置いといていい?」
「うん、ありがとうカルマ君」
荷物の整理をしていると、とても懐かしいものが出てきた。
「あ、これ……!」
「ん?」
「見て見て。殺せんせーが作ってくれた、卒業アルバム……!」
紗良は笑顔で分厚い卒業アルバムをカルマに見せる。
そして床に置いてアルバムを開いて読み始めた。
カルマも向かい側に座って一緒にアルバムを眺める。
パラパラとページをめくると、E組での思い出が呼び起こされる。
「あれからもう、3年も経ったんだね。懐かしいなぁ……」
「あーこの写真、殺せんせーにみんな無理やりコスプレさせられたんだっけ」
「うん、その後大きなカバンにみんな詰められて、世界中旅行したよね……。あ、ウエスタン衣装のカルマ君だ。かわいい」
「……可愛いって何」
思い出に浸りながらアルバムを眺めていると、あっという間に時間が過ぎていった。
「紗良、そろそろ出ないと間に合わないんじゃない?」
「あっ、ほんとだ。もうこんな時間……!」
紗良は時計を見て急いで立ち上がる。
「時間にうるさいからね、浅野クンは。さっさと行くよー」
今日は学秀がアメリカに発つ日だ。紗良とカルマは空港まで学秀を見送りに行く約束をしていた。
「えっと、鍵どこに置いたっけ……あ、あったあった」
紗良は棚の上に置いてあった鍵を手に取る。
入居の際、管理人さんから鍵を2本渡されていた。そのうちの1本をカルマに手渡した。
「カルマ君、はい。あげる」
カルマは紗良から鍵を受け取り、目を丸くしている。
「合鍵、渡しとくね」
「いいの?」
「カルマ君もくれたでしょ?」
「それはそうだけど」
先日、カルマも東大の近くに引っ越しが完了し、その際に紗良はカルマの部屋の合鍵を渡してもらっていた。
だから、紗良もカルマに合鍵を渡したのだが――。
「紗良も合鍵渡してくれるとは思ってなかった」
「そうなの? ……い、要らなかった?」
少し不安そうな表情を浮かべる紗良の頭をカルマはくしゃくしゃと撫でる。
「超要る。ありがと。貰っとく」
カルマは鍵をポケットにしまうと、身をかがめて紗良の耳元で囁くようにして言った。
「これでいつでも紗良の事襲いに行けるね?」
「!? や、やっぱり返して……!」
「だーめ。ほら、急がないとほんとに間に合わなくなるよ〜」
顔を赤くして慌てる紗良を置いて、カルマはスタスタと玄関の方へ歩いていく。
「カルマ君待って……!」
紗良は慌ててカルマの後を追いかける。
そうして、2人は仲良く空港へと向かった。
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