01
紗良が自分の気持ちを自覚して数日が経った。
今日こそはと、紗良は意を決してカルマに話しかけた。
「カ、カルマ君!」
「なに?」
「えっと、その……」
何かを言いたそうに口をもごもご動かす紗良をカルマは不思議そうに眺める。
「どうしたの?」
「あの……」
「うん?」
「……。やっぱり、なんでもないです」
「……?」
こんな事を、もう何度も繰り返している。
紗良は自分の気持ちを伝えたいと思っているものの、いざ伝えるとなると、緊張やら恥ずかしさやらで何を言えばいいのか分からなくなってしまう。
(どうやって、伝えたらいいだろう?)
(いっそ、手紙とかのほうが……。でも……)
自分の席に座ったまま、一人でぐるぐると考え込んでしまっていると……。
「――紗良。おーい紗良ってば、聞こえてる?」
気づくとカルマの顔が目の前にあって、紗良は慌ててその場から飛び退いた。
「カカカカルマ君っ!?」
「……そんな距離取らなくても良くない?」
「ご、ごめん……」
意識してしまってるせいで過剰に反応してしまい、訝しげな視線を向けられる。
「最近紗良変じゃね? なんかあった?」
「な、何もないよ!?」
「……ふぅん。まぁ、いいけど。今日は外でお昼食べよーよ」
時計を見ると、もう昼休みの時間だった。
紗良はカルマに連れられて、校舎の外へと向かった。
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