03
「はぁ……また言い損ねちゃった……」
教室に戻った紗良は、自分の机にぐったりとうなだれて、ため息を吐いた。
カルマは午後の授業はサボるつもりらしく、そのまま校舎裏で昼寝をしている。
「どうかしたの? ため息なんかついて」
紗良の様子を見て中村が声をかけてきた。
「なんか悩み事?」
「えーっと、悩み事っていうか……」
紗良が言うかどうか躊躇っていると、中村はニヤリと笑みを浮かべた。
「分かった。さては恋の悩みだね?」
「!!」
中村の言葉に紗良はビクッと肩を揺らす。
「あ、その反応は当たりってことかな〜?」
中村は楽しそうにニッと笑うと、紗良に詰め寄る。
「カルマの事?」
「は、はい……」
「2人ってまだ付き合ってないんだよね?」
「うん、まだ……」
紗良の返答に、中村は笑みを深くする。
「へぇー…。"まだ"ってことは、紗良はやっとカルマの事好きって認めたんだ? 修学旅行の時にカルマに告白されてるんでしょ?」
「ど、どうして知ってるの!?」
「前にカルマに、紗良の事好きなの?って聞いたら教えてくれた」
「そ、そうだったんだ」
「で、両思いになったのに何をそんなに悩んでるのさ?」
「それは……」
紗良は、自分の気持ちをなかなかカルマに伝えられずにいることを中村に話した。
「さっきも言おうとしたんだけど、結局言えなくて……」
「そうなんだ。さっさと言ってやりなよ。カルマも待ちくたびれてるんじゃない?」
「そう、だよね……」
「それに、早くしないと他の人にとられちゃうかもよ?」
「えっ!?」
中村は紗良に小声でこっそりと耳打ちする。
「カルマ、奥田さんの事気になってるって言ってたらしいよ〜?」
「そ、それ本当!?」
「半分嘘で半分本当」
「ど、どういうこと……?」
「気になるなら本人に聞いてみなよ」
キーンコーンカーンコーン、とチャイムが鳴り、中村は紗良の背中をバシッと叩いて「頑張りなよ」と言って自分の席に戻っていった。
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