04
E組は、今回の期末テストで各教科の1位をとると殺せんせーの触手を破壊する権利を得られるということで、皆やる気を出していた。
その日の授業が終わり、帰り支度をしていると、磯貝が声をかけてきた。
「放課後空きなら本校舎の図書室で勉強しないか? 期末狙いで、ずいぶん前に予約しといたんだ」
磯貝の手には、本校舎の図書室の予約表が握られていた。
「行く行く!」
渚と茅野は即答する。
「紗良ちゃんも行く?」
「えっと、私は……」
「だーめ。紗良は俺んちで勉強会だから」
カルマは後ろから紗良の頭の上に顎を乗せてそう言った。
「……らしいです」
「お熱いねぇ〜」
近くに居た中村がヒューヒューと囃し立てる。
「家で男女が二人きりで勉強……! 保健体育か!? 保健体育の勉強か……!?」
「……おーかーじーま? 何言ってんの?」
興奮気味に話に割り込んできた岡島を、カルマが笑顔で威圧する。「ひぃっ!」と怯える岡島。
紗良はきょとんと首を傾げる。
「今回は実技教科のテストもあるから、保健体育の勉強もするよね……?」
「…………」
みんな無言で固まってしまい、何かおかしな事を言ってしまったのだろうかと紗良は少し焦ったように周りを見回す。
「……うん。A組に勝つには、実技教科の勉強も頑張らないとね……」
渚が苦笑いでフォロー(?)を入れた。
岡島はカルマの肩にポンと手を乗せる。
「……お前も大変だな、カルマ」
「まぁ、頑張りなよ」
「憐れむような目で見るのやめてくれない?」
岡島と中村の2人に労われ、カルマはうんざりした表情を浮かべる。
「紗良、はやく帰ろ」
そう言ってカルマは紗良の手を引く。
「あ、うん。じゃあみんな、また明日!」
渚達にバイバイと手を振って、紗良は教室を後にした。
旧校舎を出て山道を下っていると、紗良のスマホからメッセージの受信音が鳴った。
誰からだろう、とスマホの画面を確認する。
「……あれ、学秀君からだ」
「浅野クン? なんて?」
「今から会えないかって」
「そういえば浅野クンに言った? 俺と付き合ってる事」
「ううん、まだ……」
「ふぅん。じゃあ報告しに行こっか?」
カルマは悪戯な笑みを浮かべてそう言った。
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