06
その頃図書室では、E組と五英傑が鉢合わせてひと悶着あり、期末テストで勝負をすることになった。
その勝負の内容は、5教科でより多く学年トップを取ったクラスが負けたクラスにどんな事でも命令できる、というものだった。
翌日――。
「わ、悪い浅野。くだらん賭けとは思ったけどよ、E組の奴らがつっかかってきて……」
A組の教室で、瀬尾が学秀の顔色を伺いながら、昨日の図書室での出来事を伝えた。
「……。良いんじゃないかな。そっちの方がA組にも緊張感が出る」
学秀の返答に、瀬尾と他の五英傑達は少しほっとしたような表情を浮かべる。
「こうしよう。勝ったほうが下せる命令はひとつだけ。その命令はテスト後に発表する」
「ひとつだけ……か。ちと物足りないな」
「で、こちらの命令はどうするんだい?」
榊原の問いかけに、学秀はすごいスピードでパソコンのキーボードを叩くと画面を4人に見せた。
「この協定書に同意する。その一つだけだ」
そこにはE組に対する細かな命令が50項目も書かれていた。
「全50項に渡りE組がA組に従属を誓い、その代償として僕らA組はE組に正しい生徒像を指導してあげる。両者WINWINの地位協定だ」
「ひとつと言いつつ奴隷扱いの50項目! WINWINとはよく言うぜ」
協定書の内容を見て小山は肩を揺らして楽しげに笑う。
「これ全部今一瞬で閃いたのかい? 恐ろしいな……ん?」
よく見ると1項目だけ太字で強調されている事に気づき、榊原は首を傾げる。
「【E組の生徒は男女交際を禁ずる】……? これはどうして太字なんだい?」
「重要だからさ」
「え?」
「重要だから」
「……」
榊原は学秀から並々ならぬ圧のようなものを感じて、それ以上深く聞くのを辞めた。
学秀はさわやかな笑顔を浮かべてA組の皆に話を始めた。
「皆、僕がこれを通して言いたいのは、やるからには真剣勝負だってことだ。どんな相手も本気を出して向き合おう!!それが皆を照らす僕等A組の義務なんだ!」
クラスの皆から「おー!」という歓声が上がった。
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