01
※時系列は、大学1年の6月ごろ。大学生活に慣れてきた頃ぐらいのお話。
※カルマ君と夢主はもちろん付き合ってます。
※大学は別々で、それぞれ一人暮らしをしています。
とある平日の午後。
たまたま大学の講義の休講が重なりお互い時間が空いたので、紗良とカルマは前々から一緒に行こうと話をしていた街ビル内のカフェへと来ていた。
ここ最近は、大学の課題やらサークル活動やらでそれぞれ忙しくしていて、2人でゆっくり出かける時間がなかなか取れずにいたので、少し久しぶりのデートだ。
このカフェは数週間前に新しくできたばかりのカフェで、デザートの種類が豊富で味もおいしいと評判だ。
店内もすごくおしゃれな雰囲気で、洋館をイメージして作られており、SNS映えする写真が撮れるとのことで、店内は若者で溢れていた。
「わぁ〜すごい! 噂通りおしゃれなお店だね」
前々からこのカフェに来ることを楽しみにしていた紗良は、浮き足立った様子で店内をキョロキョロと見回している。
「壁紙までおしゃれ……! ランプもかわいい!」
紗良はこのお店の雰囲気が相当気に入ったようで、目をキラキラと輝かせている。
「紗良、内装ばっかり見てないでメニューも見て。どれにする?」
カルマに促されて、紗良は視線を手元のメニューに移す。写真を見る限りどれもすごく美味しそうで、目移りしてしまう。
「どうしようかなぁ……。このショートケーキも美味しそうだし、チョコケーキも気になるし、期間限定いちごタルトも気になる……」
「じゃあ期間限定のにすれば? 他のはまた次来たときに頼めばいいし」
「カルマ君、また一緒に来てくれる?」
「紗良のお望みとあらば何度でも」
「やったぁ!」
そんなやり取りの末、ケーキとドリンクの注文を終え、紗良はトイレに行くために席を立った。
その後ろ姿をカルマが何気なく目で追っていると、紗良が同い年ぐらいの男性に声をかけられている姿が目に入った。
こんな所でナンパかと思ったが、どうやら知り合いのようで、紗良はその男とニコニコと会話を交わしている。
会話内容までは聞こえないが、楽しそうに会話をする様子にカルマは苛立ちを覚えた。
カルマが知っている顔ではないので、大学の友人とかだろうか。
紗良が席に戻ってきて早々、カルマは紗良に質問を投げかけた。
「ねぇ、さっきのヤツ誰?」
「え? ああ、同じ大学の〇〇君だよ。こんなところで会うなんてびっくりしちゃった」
「ふーん。アイツと仲良いの?」
「えっと……一緒の講義になることが多いから結構よく話す、かな?」
紗良の通う学部は女子が多いとはいえ、共学だ。
当然男子も居ることは分かっているとはいえ、自分の知らないところで紗良が他の男と仲良くしているのはカルマにとって面白くない。
「カルマくん、どうしたの?」
「別に何でもない」
カルマはモヤモヤしている気持ちを飲み込んでそう答えた。
そうこうしているうちに、注文していたケーキがテーブルに運ばれてきた。
紗良は美味しそう!と目を輝かせている。
「いただきます。……美味しい〜!」
幸せそうにケーキを食べる紗良を見ていると、さっきまでの苛立ちも少し治まってきた。
「紗良、俺のケーキもひと口食べる?」
「いいの? 食べたい!」
「じゃあ、はいあーん」
「! じ、自分で食べられるよ」
「いいから、ほら」
紗良は恥ずかしそうに視線を斜め横に向ける。
その視線の先、テーブルを2つほど挟んだ場所に座っているのは先程紗良が話していた大学の同級生だ。
「見られちゃうよ」
「見せつけてんの」
カルマが差し出したスプーンを引っ込めようとしないので、紗良は観念したように口を開けた。
「どう? 美味しい?」
「美味しいです」
「それはよかった」
顔を赤くしながらケーキを食べる紗良を見て、カルマは満足そうに笑った。
カフェデートの時間 end
2020.12.25
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