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「ようこそ普久間島リゾートホテルへ。サービスのトロピカルジュースでございます」

目の前に広がるのは広い砂浜に青く澄んだ海、後ろには緑に囲まれた大きなホテル。
まさにリゾートといった感じで、みんなのテンションも上がっていた。

「いやー、最高!」

「景色全部が鮮やかで明るいな〜」

船を降りてしばらく経ち、紗良の船酔いもすっかり良くなってきていた。

「紗良ちゃん、もう大丈夫そう?」

「うん。みんな、心配かけてゴメンね」

殺せんせーも船酔いなどしてなかったかのように、ピンク色のフレームのハートのサングラスをつけてリゾートを満喫している。

「ホテルから直行でビーチに行けるんですね。様々なレジャーも用意してあるようですし」

「例の暗殺は夕飯の後にやるからさ。まずは遊ぼうぜ殺せんせー!」

「修学旅行の時みたく班別行動でさ」

「ヌルフフフ、賛成です。よく遊びよく殺す。それでこそ暗殺教室の夏休みです」

事前に計画していたとおり、1つの班が殺せんせーと遊んでいる間に他の班が現地チェックや準備を進めていく流れとなった。



***



日が落ち始めた頃、各班の準備も終わり、いよいよ殺せんせーの暗殺計画を実行するときが来た。

「じゃ、殺せんせー。メシの後暗殺なんで、まずはレストラン行きましょう」

夕飯は、貸し切りの船上レストランだ。
まさかまた船に乗せられるとは思っていなかった殺せんせーは、少し動揺しているようだ。

「な、なるほどねぇ……。まずはたっぷりと船に酔わせて戦力を削ごうというわけですか。あ、一瀬さんは大丈夫なんですか?」

「私は大丈夫です! 酔いどめ飲んどいたので!」

と、紗良は笑顔で答える。

「にゅや〜ッ! 一瀬さん、先生にも酔いどめを貰えませんか……?」

「それは……ごめんなさい」

「殺せんせーに渡すわけないじゃーん」

「むむ……。ですが、そう上手く行くでしょうか。暗殺を前に気合の乗った先生にとって船酔いなど恐れるに――」

「黒いわ!!」

殺せんせ−は日焼けで真っ黒に焼けていた。
皆に黒すぎると突っ込まれた殺せんせーは、月1回の奥の手の脱皮を行い、自分で戦力を減らすというドジをやらかして落ち込んでいた。

夕食を食べた後、次は殺せんせーを水上チャペルへと招待した。

「まずは動画を見て楽しんでもらい、その後テストで勝った7人が触手を破壊し、それを合図に皆で一斉に暗殺を始める。それでいいですね? 殺せんせー」

「ヌルフフフ。上等です」

とある教師の生態、というタイトルの動画で殺せんせーにメンタルダメージを与え、さらに満潮を利用して海水で触手にダメージを与えることに成功した。

「船に酔って、恥ずかしい思いして、海水吸って、だいぶ動きが鈍ってきたよね」

「さあ、本番だ。約束だ、避けんなよ」

テストで満点をとった8人が殺せんせーに向かって銃を構える。

紗良も銃を構えながらゴクリと唾を飲み込んだ。

みんなで計画を立てて、協力して、準備してきた、過去一番の大規模な暗殺計画。ここまで来たら、成功してほしい。

上手くいきますようにと願いながら、紗良は殺せんせーに向けて銃を放った。


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