03


結果は、完敗だった。

殺せんせーは「完全防御形態」へと変化し、一切の攻撃を受け付けない状態になってしまった。

「チッ、何が無敵だよ。何とかすりゃ壊せんだろこんなモン」

寺坂が工具で球体状になった殺せんせーをガンガン叩いているが、一切効いてないようだ。

「そっか〜。弱点無いんじゃ打つ手ないね」

カルマはスマホを取り出すと、殺せんせーがエロ本の山の上でニヤニヤとエロ本を読んでいる画像を見せつけた。

「やめて――ッ!」

「そこで拾ったウミウシもひっ付けとくね」

「ふんにゅあああッ!」

殺せんせーは大声で「助けてーッ!」と叫んでいる。

「……ある意味いじり放題だよね」

「……うん。そしてこういう時のカルマ君は天才的だ」

楓と渚は呆れ顔を浮かべていた。

「カ、カルマ君。そろそろやめてあげたら……?」

さすがに殺せんせーが可愛そうになってきた紗良がカルマに声をかける。

「えー。じゃあこのウミウシは紗良にひっ付けとく?」

カルマは殺せんせーにくっつけていたウミウシを紗良の方へと近づけてきた。

「えっ!? 待って待ってやめて……っ!!」

慌てて後ずさる紗良を見てカルマは楽しそうに笑う。

「はは、ジョーダンだって」

「……とりあえず解散だ皆。上層部とこいつの処分法を検討する」

球体になった殺せんせーは烏間先生に回収され、その場は解散となった。



***



「しっかし疲れたわ〜…」

「自室帰って休もうか…。もう何もする気力無ぇ」

大掛かりな暗殺で、皆疲れ切っている様子だった。

それにしても、何かがおかしい。

「渚君よ。肩貸しちゃくれんかね…。部屋戻ってとっとと着替えたいんだけどさ、ちぃ〜とも体が動かんのよ……」

そう言いながら、中村はふらついてその場に倒れ込んでしまった。

「なっ、中村さん!!」

近くに居た紗良も駆け寄る。

「大丈夫……!?」

どうやら高い熱が出ているようだ。周りを見回すと、クラスの半数程が苦しそうにしてる。
皆が同時に体調を崩すなんて、どう考えてもおかしい。

その時、烏間の携帯が鳴った。

通話をかけてきた相手は、この事態を引き起こした犯人だった。
皆が苦しんている原因は、犯人が人工的に作り出したウイルスのようだ。
1週間で死に至るウイルスで、治療薬もオリジナルの1種のみ。
治療薬が欲しければ殺せんせーを渡せ、というのが相手の条件だった。

殺せんせーが動けない状態なので手のうちようがない。
だが、相手の言う通りに従ったとしても、渡しに行った生徒を人質にとる可能性もある。
どう対応すべきか悩んでいる烏間に、殺せんせーが声をかけた。

「いい方法がありますよ。元気な人は来て下さい。汚れてもいい恰好でね」

動けるメンバーは、取引場所である普久間殿上ホテルがある山の麓に来た。
そこは高い崖になっていた。

「敵の意のままになりたくないなら手段はひとつ。動ける生徒全員でここから侵入し、最上階を奇襲して治療薬を奪い取る!!」

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