09
上の階への階段の前には見張りが2人居た。
寺坂が木村へ指示を出す。
「おい、木村。ちょっとあいつらをここまで誘い出してこい」
「俺が? どーやって?」
「知らねーよ。なんか怒らせること言えば良い」
「じゃあこう言ってみ木村」
カルマが何やら木村にゴニョゴニョと耳打ちをしている。
「カルマ君、悪い顔してる…」
「ノってきたねカルマ君」
紗良と渚は苦笑いを浮かべながらその様子を見ていた。
そして、木村が見張りの2人に近付いていく。
「? 何だ、ボウズ」
「あっれェ〜脳みそ君がいないなァ〜〜? こいつらは頭の中まで筋肉だし〜。人の形してんじゃねーよ筋肉共が」
そう言い捨てて去っていこうとする木村を見張りの2人は顔に青筋を浮かべて追いかけてくる。
「おい! 待てコラ!!」
木村は全速力で走ってこちらへと戻ってくる。
見張りの男たちは足の早い木村には追いつくことは出来ず、寺坂と吉田がタイミングを見計らって飛び出して抑え込み、スタンガンで気絶させた。
「ス、スタンガン……」
「タコに電気を試そうと思って買っといたのよ。こんな形でお披露目とは思わなかったがよ」
「いい武器です寺坂君。ですがその2人の胸元を探ってください。もっと良い武器が手に入るはずですよ」
殺せんせーに言われた通りに寺坂が男の胸元を調べると、拳銃が出てきた。
本物の銃を間近に見て、皆はごくりと息を呑む。
「千葉君、速水さん。この銃は君たちが持ちなさい」
「えっ……!」
「烏間先生はまだ精密な射撃ができる所まで回復していない。今この中で最もそれを使えるのは君たち2人です」
「だ、だからっていきなり……」
「ただし! 先生は殺すことは許しません。君たちの腕前でそれを使えば傷つけずに倒す方法はいくらでもあるはずです」
対殺せんせー用のエアガンは使用したことがあるが、本物の銃を持つのはこれが初めてだ。
だが、敵が本物の殺し屋である以上、こちらも相応の武器を持つ必要があるだろう。
千葉と速水は少し戸惑いつつも拳銃を受け取った。
「さて行きましょう。ホテルの様子を見る限り、敵が大人数で陣取っている気配はない。雇った殺し屋も残りはせいぜいひとりふたり!」
「おう!! さっさと行ってぶち殺そうぜ!!」
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