15
ホテルに戻ったあと、それぞれがそれぞれの疲れで泥のように眠って、起きたのは次の日の夕方だった。
殺せんせーは球体から元の触手のある姿へと戻った。
「では旅行の続きを楽しみましょうか」
「旅行の続き……っったってもう夜だぜ。明日は帰るだけだし」
「ヌルフフフ、夜だから良いんですよ。真夏の夜にやる事はひとつですねぇ」
殺せんせーは幽霊の格好をして『暗殺 肝試し』という看板を掲げた。
殺せんせーがお化け役を努めて、お化けは殺してもOKというルールの肝試しだそうだ。
「きも……だめし……」
「そういや紗良は怖いの苦手だっけ」
「うん……でも殺せんせーのお化けなら怖くないかな……怖くないよね……うん、大丈夫。きっと大丈夫」
紗良は自分にそう言い聞かせる。
紗良はカルマとペアになり、海底洞窟を進むことになった。
洞窟の前で立ち止まったまま動かない紗良にカルマが声をかける。
「紗良、行くよ?」
「洞窟の中、真っ暗だ……」
「まぁ夜だからね。懐中電灯あるし大丈夫だよ」
「待って、深呼吸する……」
「殺せんせーのお化けなら怖くないんじゃなかったの?」
カルマは少し紗良をからかうように言う。
「そ、そうだけど……。カルマ君、手繋いでも良い……?」
紗良は上目遣いでおずおずと聞く。
「……どーぞ」
紗良は差し出された手をぎゅっと握り、カルマにくっつくようにして歩き出した。
「殺せんせーもたまには良いこと考えるよね」
「え?」
「なんでもなーい」
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