04
「イトナ!!」
寺坂が叫ぶ。
シーツの檻の上空から、イトナが殺せんせーに攻撃を仕掛ける。
狭い檻の中で殺せんせーはイトナの攻撃を必死にかわす。
「シロ!! これ全部テメーの計画か!!」
「そういう事。街で下着ドロを重ねたのも、殺せんせーの周囲に色々と仕込んだのもね」
どうやらこの一連の事件は、シロが計画したものだったようだ。
シーツは対戦性繊維の強化布。攻撃を繰り出しているイトナの触手には先に対先生用グローブが装着されており、殺せんせーはじわじわと触手を溶かされていた。
「俺の勝ちだ、兄さん。おまえを殺してたった一つの問題を解く。即ち、最強の証明!!」
殺せんせーがよろめいた隙をついてイトナはトドメを刺そうと攻撃を繰り出す。
しかし、殺せんせーはぬるんぬるんと体をくねらせ、全ての攻撃をかわしていった。
「!? バカな……こんなはずが」
「イトナ君、先生だって学習するんです。先生が日々成長せずして……どうして生徒に教えることができるでしょうか」
殺せんせーは、イトナとのこれまでの戦闘で攻撃パターンを学習して、見切ることができるようになっていた。
「さて、やっかいな布の檻を始末しますか。夏休みの完全防御形態の経験を通して……先生もひとつ技を学習しました。触手の一部だけを圧縮してエネルギーを取り出す方法」
布の檻の中から強い光が発せられて、夜なのに辺りが明るくなる。
「覚えておきなさいイトナ君。暗殺教室の先生は……教えるたびに強くなる」
そして、イトナは殺せんせーの攻撃で倒されてしまった。
「そういう事ですシロさん。彼をE組に預けておとなしく去りなさい」
「……」
その時、イトナが急に苦しみだした。
「い……痛い……。頭が痛い。脳みそが裂ける……!!」
イトナは頭を抱えて苦しそうにうずくまっている。
「度重なる敗北のショックで触手が精神を蝕み始めたか。ここいらがこの子の限界かな。これだけの私の術策を活かせないようではね」
シロは淡々とそう述べる。苦しんでいるイトナを心配する素振りはまったくない。
「イトナ。これだけ結果を出せなくては組織も金を出せなくなるよ。君に情が無いわけじゃないが、次の素体を運用するためにもどこかで見切りをつけないとね」
シロはイトナに背中を向けてスタスタと去っていく。
「さよならだ、イトナ。あとは1人でやりなさい」
「待ちなさい!! あなたそれでも保護者ですか!!」
「教育者ごっこしてんじゃないよモンスター。私は許さない。おまえの存在そのものを。どんな犠牲を払ってもいい。お前が死ぬ結果だけが私の望みさ」
紗良はそれを聞いてゾクリとした。シロは相当殺せんせーに恨みがあるようだ。
「がああああぁっ!」
イトナは痛みにもがき苦しみ、叫びながら何処かへ行ってしまった。
その後、皆で協力してイトナの姿を探したが、その日はイトナを見つけることはできなかった。
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