06
イトナを助けに行った殺せんせーは、シロの攻撃に苦戦していた。
「おまえは自分への攻撃は敏感に避けるが、自分以外への攻撃の反応は格段に鈍いね」
シロはあえてイトナを狙って攻撃し、殺せんせーはその攻撃からイトナを庇っていた。
殺せんせーは圧力光線を受け動きづらい上に、四方八方から対先生弾で攻撃され、じわじわと触手を溶かされている。
その時、E組の生徒たちが殺せんせーとイトナの元にたどり着いた。
対先生用の白い布を身にまとった男たちをE組の生徒達が次々と倒していく。
「なっ……!?」
「はい、簀巻き簀巻き〜! 一丁上がりっと!」
木の上から落とし、布でぐるぐると簀巻きにして動きを封じていく。
「みなさん、よく来てくれました!」
完全に形勢逆転だ。
「去りなさい、シロさん。イトナ君はこちらで引き取ります。あなたはいつも周到な計画を練りますが……生徒たちを巻き込めばその計画は台無しになる。当たり前の事に早く気づいた方がいい」
「モンスターに小蠅たちが群がるクラスか。大層うざったいね」
シロは諦めたようで、車に乗り込む。
「くれてやるよそんな子は。どうせ2〜3日の命。皆で仲良く過ごすんだね」
イトナは仰向けにぐったりと倒れている。
イトナの触手細胞は脳に強く癒着して、離れそうになかった。
このままではイトナは触手に蝕まれて死んでしまう。
「どうにか切り離せないのかな?」
「彼の力への執着を消さなければ。そのためには、そうなった原因をもっと知らねばなりません」
律に調べてもらった所、イトナは堀部電子製作所の社長の子供で、世界的にスマホの部品を提供していた町工場だったそうだ。しかし、おととし負債を抱えて倒産してしまい、社長夫婦は息子を残して雲隠れしたのだとか。
「ケッ、つまんねー。それでグレただけって話か」
寺坂が悪態をつく。
「みんなそれぞれ悩みあンだよ。思い軽いはあンだろーがよ」
寺坂は吉田と村松の肩をポンと叩くと、イトナの元へと歩いていく。
「俺らんとこでこいつの面倒見させろや。それで死んだらそこまでだろ」
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