03
あっという間に2週間が過ぎていき、保育施設の手伝いもいよいよ今日で最後の日となった。
「もうおしまいなの?」
「もっと一緒に遊びたかった!」
子供たちは寂しそうな表情を浮かべながら、紗良にぎゅっと抱きついた。
「私もみんなとお別れするのは寂しいけど、また遊びに来るよ」
紗良は優しく子供たちの頭を撫でる。
そのとき、かけるが紗良の方に近づいてきた。
「紗良おねえちゃん」
「どうしたの?」
「あのね、ぼく、決めたことがあるんだ」
紗良は興味津々で聞いた。
「何を決めたの? かけるくん」
かけるは深呼吸をして、一大決心をしたかのように言った。
「ぼく、大きくなったら紗良おねえちゃんとけっこんする!」
その言葉に周りの子供たちが驚き、そして歓声を上げた。
「わー! かけるくん、すごい!」「きゃー!」
紗良はその言葉に少し驚いたものの、すぐに笑顔を浮かべる。
「ふふ、ありがとう。かけるくん」
そのやり取りを見ていたカルマが近づいてきて、冗談交じりに言った。
「モテモテじゃん、紗良」
「えへへ、嬉しいな」
「俺も紗良と結婚したいんだけどな〜?」
「カ、カルマ君!?」
隣で見ていたませた子供が口を挟んだ。
「サンカクカンケイってやつだ…!」
かけるも負けじとカルマに強く言い返す。
「ぼ、ぼくがけっこんするもん!」
カルマは微笑みながらかけるに向かって言った。
「じゃーライバルだね。どっちが紗良に選んでもらえるか勝負しよっか」
かけるは真剣な顔でカルマを見上げ、「うん、負けないから!」と答えた。
「ぼく、おにいちゃんよりぜったい大きくなる!」
「おー頑張れ」
カルマはかけるの頭をくしゃりと撫でた。
「カルマおにいちゃん、わたしもなでて!」
「わ、わたしも!」
「はいはい、順番ね」
なんだかんだで、カルマも子供達からモテモテだった。
***
こうして、2週間の特別授業は幕を下ろした。
退院した園長先生は。改修・増築された施設や成長した子供達の様子を見て、E組の働きぶりに満足してくれたようだ。
しかし、保育施設の手伝いが終わったのは中間テストの前日だった。
結果は惨敗。
前にも増して猛勉強したA組に蹴散らされ……E組の大半はトップ圏内から弾き出された。
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