03
翌朝――。
紗良は渚と一緒に学校へ向かっていた。
毎日一緒に登校しているわけではないが、見かけたらどちらからともなく声をかけて一緒に登校するのが当たり前になっていた。
「そういえば……渚君って赤羽君と仲いいの?」
「カルマくん? 1年の頃から同じクラスだから、仲いいよ。どうかしたの?」
渚は紗良の口からカルマの名前が出てきたことに少し驚きつつ、話を促した。
「実はね昨日……」
紗良は昨日の帰りにあった出来事を渚に話した。
「……っていう事があったの」
「タイミング悪かったね、そんな場面に遭遇しちゃうなんて」
「うん、ほんとびっくりしたし怖かった……。心臓に悪いよ〜」
はぁ、とため息をつく紗良。
「その後、家まで送ってくれるっていうのも断って逃げ帰っちゃったけど、赤羽君怒ってないかな……?」
「うーん、別に大丈夫だと思うよ」
「だといいんだけど……。あんな現場見ちゃったし、赤羽くんと顔合わせることがあったらちょっと気まずいな……」
カルマと紗良は違うクラスとはいえ、隣のクラスなので廊下等ですれ違う可能性は十分有り得る。
そう考えると少し憂鬱だった。
「カルマ君は、素行がちょっとあれだから誤解されやすいけど、根は案外いい人なんだよ?」
「そう、なの?」
少し驚いた顔で紗良が問う。
「うん。虐められてる人とか見つけたら放っておけないみたいで、よく飛び込んでいってるよ。それに、むやみやたらに自分から喧嘩売ったりはしないから」
「そうなんだ……」
昨日の印象では『暴力的な怖い人』だったけど、渚君と仲いいみたいだし、そこまで悪い人でもないのかな?と紗良はカルマに対する認識を少し改めた。
「でも、虐められてる人を助けに行くまでは良いんだけどやり過ぎるところがあって、相手に大怪我負わせるまでボコボコにしちゃうんだよね……」
そう言って渚は苦笑いする。
(……やっぱり、怖いかも)
そう心のなかで思う紗良だった。
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