02


一方その頃。

カルマと渚は校舎を出て校門の方へと歩いていた。
カルマが何気に校舎の方を見ると、窓越しに見えたのは紗良の姿。

「あれって紗良ちゃんと……浅野クン?」

渚もそちらを見ると、浅野学秀と並んで歩く紗良の姿があった。

「あぁ、用事って浅野君との事だったんだ」

と納得した様子の渚。

「渚君、何か知ってんの?」

とカルマが不思議そうに質問する。

「たぶん勉強しに行くんだと思うよ」

「勉強? 浅野クンと二人で?」

「うん。紗良ちゃん、浅野君に勉強教えてもらってるらしいんだ」

「え、待って。紗良ちゃんって浅野クンと仲良いの? かなり意外なんだけど……」

少し驚いたようにカルマが言う。

学秀はこの学校で知らぬ者はいないほどの有名人である。常に成績は学年トップ、人望も厚くカリスマ性を持ち、皆から一目置かれている。
一方で紗良は、こう言ってはなんだが成績が良いわけでもなく、特に目立った点のない至極普通の生徒だ。
学秀と接点があるようには思えなかった。

「あぁそっか。カルマ君は知らないんだね」

と、渚は少し含みのある言い方をする。

「……何が」

「実はね、紗良ちゃんと浅野君は、」

「え、何、付き合ってんの?」

ちょっと焦った様子のカルマを見てふっと笑う渚。

「この続きは紗良ちゃん本人から聞いてね。僕の口からは言えないから」

そう言ってニコッとカルマに笑顔を向けた。

「……渚君さぁ、いつからそんなに意地悪になったの?」

カルマは怪訝そうな目で渚を見る。

「カルマ君の性格がうつっちゃったかな」

なんて言う渚に対し、カルマは少しの沈黙の後

「……今日の予定変更だよ。今から渚君をエサにヤンキー釣りね」

と黒い笑みを浮かべてそう言った。

「えぇっ! そ、それは酷くないカルマ君!?」

「じゃー勿体振らずに教えてよ」

「口止めされてて……」

「えー」

これ以上聞いた所で渚は教えてくれそうになかったので、カルマは明日紗良本人に直接問いただすことに決めた。

少しモヤモヤしつつも、カルマは渚と共に学校をあとにした。

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