04


その翌日。

休み時間、紗良が何気なく携帯をチェックすると、メッセージの受信通知が入っていた。

(あれ、赤羽君からだ……)

内容を確認すると、『ちょっと話があるから昼休み屋上来て』と書かれていた。
話って何のことだろう、と疑問に思いつつも『分かった、行くね』と返信しておいた。

そして昼休み。
クラスの友達に「用があるから先にお昼食べてて」と告げて、紗良は少し迷ったが一応お弁当も持参して屋上へと向かった。

階段を登り、屋上へと続く扉を開ける。
カルマは既に到着していたようで、フェンスに背を預けてこちらの方を向いて立っていた。
片手にはいつものいちご煮オレを持っている。

カルマは紗良に気づくと、

「きたきた。待ってたよ、紗良ちゃん」

と言い、ニッコリと笑みを浮かべた。

その笑顔を見て紗良の表情は引きつる。

(……どうしよう。なんだかすごく怖い……!!)

カルマは基本いつも笑顔だが、笑顔の種類にも色々あって、今日の笑顔は邪気でも篭っていそうな感じだった。

紗良は扉の前で立ち止まったまま、おそるおそるカルマに声をかける。

「あ、赤羽君、話って……?」

扉の前から一歩も動こうとしない紗良を見かねて、カルマの方から近づいてきた。
カルマは紗良の目の前で立ち止まる。

「ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

「き、聞きたいこと………?」

カルマは薄い笑みを浮かべながら話を続ける。

「……昨日見ちゃったんだよね。紗良ちゃんと浅野クンが二人仲良く歩いてるとこ」

「!!!」

特に何も悪いことはしていないのだが、まるで浮気現場を目撃したかのようなカルマの言い方に紗良は動揺する。

「俺らの誘い断って、浅野クンと一緒にいたんだ?」

カルマは紗良より背が高いので、目の前に立たれると紗良は見下されるような形になる。
少し威圧感を感じて紗良は肩をすくめた。

「う、うん。学秀君と勉強する約束してたから……」

「"学秀君"ね……。まぁそれは良いとして」

カルマはさらに一歩前に進み出て、紗良の後ろの扉に片肘をついた。紗良は扉とカルマとの間に挟まれて身動きがとれない。

「紗良ちゃんってさ、あいつとどういう関係な訳?」

至近距離でそう問いかけられて、思わずしどろもどろになる。

「ど、どういう関係って……えーっと……」

カルマには伝えても問題ないような気はしたが、一応いとこであることは口外しないという学秀との約束になってるので、躊躇っていた。

「渚君は知ってるみたいだったけど聞いても教えてくれないし……。言えないような関係なの?」

「え! そ、そんなんじゃないよ!!」

なんだか話がおかしな方向に進んでいて紗良は焦る。

「じゃあ、何?」

カルマは紗良に詰め寄った。答えないと引き下がってくれそうにないので、正直に言うことにした。

「が、学秀君はね、私の……いとこ、なの」

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