06
屋上入り口の扉付近の壁に寄りかかるように2人並んで座り、紗良は持ってきていたお弁当を広げる。
「それ手作り?」
そう言ってカルマは紗良のお弁当を覗きこんだ。
「手作りだよ。って言っても、昨日の残り物とかだけどね……。赤羽君は、パン?」
カルマはコンビニで買った菓子パンを頬張っている。
「うん。うちの親弁当なんて作ってくれないし、自分で作る気もないし」
菓子パンに、飲み物はいちご煮オレ。甘いものばかりだ。紗良はカルマの食生活が心配になった。
「……ちゃんと栄養とってる?」
「とってるよ。何、心配してくれてんの?」
カルマはニヤリと笑って紗良の方を見やる。
「心配になるよ、そんな食事見たら……」
「だいじょーぶだって。……あ、そうだ。じゃあ紗良ちゃんが俺に栄養のあるもの食べさせてくれれば良いんじゃない?」
「へ?」
急に何を言い出すのかと紗良はきょとんとする。
「今日もうちの親旅行で居ないんだ。だから紗良ちゃんちでまた晩ごはんご馳走になってもいい?」
そういえばカルマの両親はよく旅行に行くと言っていた。親が居なければ夜もきっと何か買い食いするのだろう。
本気で食生活が心配だし、紗良もカルマが来てくれるのは嬉しいので、もちろん承諾する。
「うん、良いよ! 頑張って美味しいもの作るね」
しかし紗良はある事を思い出し「あ」と声を漏らす。
「今日も学秀くんと勉強の約束してるんだった」
それを聞くと、カルマは嬉しそうな様子から一転して露骨に嫌そうな表情をする。
「えーまた? 昨日も一緒に勉強してたんでしょ?」
「そうだけど、試験も近いし……」
「じゃあ終わるまで待ってるよ」
「待っててくれるの?」
「適当に時間つぶしてるから、勉強終わったら連絡してよ」
「分かった。なるべく早く終わるようにするね」
その後は他愛もない話をして、昼休みの終わりを告げるチャイムがなった。
「教室戻ろっか」
そう言ってカルマは立ち上がった。
紗良も後に続いて立ち上がる。
屋上を出て階段を降り、それぞれの教室へと戻っていく。
「じゃあまた放課後ね」
「うん、またね」
バイバイ、と紗良が手を振るとカルマも振り返してくれた。
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