05


紗良は教室に戻り、自分がE組に行くことになったことをクラスの友人に伝えた。
すると、途端に友人は紗良に対してよそよそしい態度になる。

(やっぱり、そうなっちゃうよね……)

悲しくないといえば嘘になるが、そこまで大きなショックは受けなかった。
こうなることは覚悟していたからだ。

今思えばクラスの友人とは上辺だけの付き合いだった、と紗良は思った。
この学校は成績が全てで、結果を出せなければE組に落とされ周りから見放されてしまう。
そんな環境では、心の許せる友人を作ることは難しかった。

表立って悪口を言われなかっただけましかな、なんて考えていると、紗良のスマホが震えた。
画面を確認すると学秀からメッセージが入っていた。
『話したいことがある』との事だった。

(きっと、E組行きの件だよね……)

紗良はスマホをポケットにしまうと、教室を出た。

(学秀君は、私がE組になっても友達のままでいてくれるかな)

不安な気持ちを抱えつつ、指示された場所へと向かう。

学秀は紗良の姿を見つけると声をかけた。

「紗良……!」

「学秀君……。私ね、E組に行くことになったの……」

紗良は、学秀からどんな反応が返ってくるのか内心不安だった。
しかし、返ってきたのは予想に反して優しい言葉だった。

「何も心配いらないよ、紗良」

「え……?」

紗良は思わずきょとんとしてしまう。

「赤羽から全て話は聞いた」

「えっ、カルマ君から?」

一体どういうことだろうと紗良が考える暇もなく、学秀は話を進める。

「今から理事長に話をつけに行こう」

「り、理事長先生に!? えっと、どういうこと……?」

紗良はいまいち状況を理解しきれない。

「E組行きを取り消してもらうように、理事長に抗議しに行く」

「!!」

「大丈夫。僕が上手く言うから、紗良は一緒に来てくれればそれでいい。さあ、行こうか」

「う、うん……」

紗良は言われるがまま、学秀に連れられて理事長室へと歩みを進めた。

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