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學峯の教育方針は、E組を徹底的に差別して貶めることにより、残りの生徒に緊張感と優越感を与え、向上させるというものだ。
しかし紗良はE組の肩をもつような主張をしており、學峯の考える教育方針に反していたためそれを正しておく必要があった。

「簡単な事だよ。ただ一言ごめんなさいと謝るだけだ。自分が間違っていたと認めるだけでいい。そうすれば、君のE組行きは取り消そう。それでいいね? 一瀬さん」

「私、は……」

俯いたまま何も答えない紗良に学秀が声をかける。

「紗良……?」

やがて紗良は顔を上げ、はっきりとこう言った。

「嫌、です。謝罪するぐらいなら、私もE組に行きます」

学秀が驚いて目を見開く。

「は!? 紗良、何を言って……!」

「私は、赤羽君のしたことは正しいと思います。謝ってしまったら、E組の人を助けたいって思った自分の気持ちもカルマ君の気持ちも否定することになる。そんなのは、絶対に嫌です」

「紗良、考えなおすんだ! E組になればどんな扱いを受けることになるか、分かっているだろ……!」

「うん、分かってる。ごめんね、学秀君。それでも私は、自分の気持ちに嘘を付きたくないって思うの……」

「紗良っ……!」

慌てる学秀とは正反対に、學峯は静かに笑顔を作るとこう告げた。

「君の考えはよく分かったよ。一瀬さん、君は本校舎に居るべき生徒ではない。E組に行きなさい」

「……はい」

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