第10話
「ごちそうさまでした!」
食事が終わり、こっそり部屋に戻ろうとしていたナマエの腕をエマが掴んだ。
「ナマエ〜!」
しまった、と思った時にはもう遅い。
他の子供達も、ナマエの足や腕にギュッと抱きついた。
「「しゅっぱつだ〜!!」」
無理やり振りほどくことも出来ず、されるがままに外へ連れてこられた。
食事を一緒に取ることは了承したが、一緒に遊ぶのはやっぱり無理だ。
今度こそきちんと断ろうと思い、ナマエはエマに向き直る。
「エマ、私は……」
「はい、ナマエ」
「え?」
「この本、私のおすすめだから読んでみて!」
エマから渡されたのは1冊の本だった。
「レイはね、鬼ごっこしてる時いっつもこの木の下で本読んでるんだけど、一人ぼっちで寂しがってるから一緒に居てあげてくれない?」
「おい、エマ! 勝手なこと言うなよ」
「でも1人より、誰かと一緒に居たほうが絶対楽しいよ!」
エマは私にそう言うと、みんなを集めて鬼ごっこを始めた。
鬼はノーマン。スタートの合図で、みんなが森の方へ駆けていく。
「一緒に遊びたくなったら、いつでも言ってね」
「鬼ごっこ、結構楽しいぜ?」
ギルダとドンはナマエに言葉をかけると、みんなの後に続いた。
「エマも僕も、他の皆も、ナマエと仲良くなりたいって思ってるんだよ」
ノーマンはナマエにそう言うと、みんなを追いかけていった。
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