第4話


仲良くなっても、別れるのが辛くなるだけだ。
大切な人を失う思いを、もう二度としたくない。

だけどその日、しばらくしてレイだけが戻ってきた。
レイが一人で部屋にやってくるのは初めてだ。


「最初に言ったけど、私は誰とも仲良くするつもりはないの」

「仲良くしに来たわけじゃない。取引しに来た」

「……?」

「おまえは誰とも話したくないんだろ? あいつらには適当に理由つけて、この部屋にもう誰も来ないようにしてやる。その代わり…」


レイは真剣な面持ちでナマエを見つめる。


「お前が前にいたハウスの情報が欲しい」

「情報……?」

「あぁ。例えば、前のハウスには何人の子供が居たか、とか」

「……」


門の外での出来事を誰にも言わないようにとは言われているが、ハウスでの出来事を言うなとは言われていない。隠すような事でもないだろう。逆に隠すほうが怪しまれそうだ。


「前のハウスに居た人数は32人。これで満足?」

「取引成立だな」


レイはニヤリと笑みを浮かべた。


「俺が質問するから、ただそれに答えてくれればいい。そうだな…1日1個でいい。そうすれば、お前はこの部屋で静かにすごせる。悪くない条件だろ?」


←prev next→


目次に戻る TOP

ALICE+