11. 生活の健全化

サスケに言われたからという訳ではないけど、このままでは子供にも心配をかけてしまうと思い分身生活を終わらせることにした。まずは病院での勤務時間を昼間だけにして貰って、今までの寝不足の分を考えて1週間休みを取った。1体に戻したら何日くらい寝続けてしまうのか想像がつかなかった。あとは、子供達を誰にどこに預けるか。困った時の火影様、とばかりに相談しに来て今に至る。

「うんうん、やっと戻すことにしたのネ。俺も安心したよ。」
「ご存知だったんですね。ご心配おかけしました。」
「んー、にしても確かに最悪1週間寝っぱなしとなると子供は心配だよネ。」
「もし可能であればDランク任務として依頼させていただきたいのですが、」

コンコン、とタイミングよくノック音がなる。火影様はチラッと私の方を一度見てどーぞ、と間延びした声をかけた。

「呼んだか、カカシ。」

なぜここでサスケが来るのか、と批難の目を向けるとニコニコと笑いかけられる。何この人。

「んー、ちょうど今人が出払っててね。1週間くらい融通が効くのってサスケくらいなのよ。」
「あ、あの、火影様、何も1週間同じ方でなくても、1日ごとでも構いませんので、」
「それにコイツちょうど長男くんの修行つけてるみたいだしさ。」

見知ってる仲の方が子供達も負担が少ないんじゃない?とご尤もな意見を述べられ反論の余地も見当たらない。

「反論しないと俺に決まるぞ。」

他人事だと思って楽しそうに嫌味を言ってくるサスケを睨む。

「まぁ、こんなだし心配だろうから、俺やシカマルもちょくちょく顔出すようにするし、ネ。」
「そ、れはそれで大変申し訳なさすぎるんですが。」
「いいじゃない、サスケも父親体験して練習しておかないとだし。」
「お言葉を返すようですが、それこそ本人の子供で事足りるような、」
「往生際悪いとこは変わんねーのな。」

フンと鼻を鳴らす姿に拳が震える。

「あいつらがうちはだってバレて狙われたときに護れる奴がDランクで確保できんのかよ。」

ご尤もすぎる。その点に関してはサスケなら全面的に信頼できる。ただ、なんか自分の身体痛めて産んだ子供を取られるみたいで嫌なだけだ、というのは自分でも薄々気付いていた。

「だから子供の悩みも気付いてやれねーんだろ。」

ただバカにしたようにそう言われると、こちらとしても面白くはない。元はと言えば誰のおかげでこういう人生歩むことになったと思ってんのよ。

「は?ちょっとサツキから事情聞いたからって偉そうに説教たれてんじゃないわよ、ウスラトンカチ。1人で産んで1人で育てるって決めたのよ。それを全うしてるだけじゃない。なんでふらっと帰ってきてふわっと関わったあんたにそんな事言われなきゃなんないのよ。」

言ってハッと我に帰る。火影様の前でなんてみっともないことを。

「くくくっ、言うねぇ、名前。」
「お見苦しい所を、失礼しました。」
「素直に助けてって言えよ。」

昔は泣きながら縋ってきて可愛かったのにな、と勝ち誇ったように言うサスケに火影様が驚いたような顔をする。もう何なの、この人たち。

「ま、なんだかんだ2人仲良いみたいだし、ちょうどいいかな?よし、これにて解決!」

はい、次ー、と進めてしまう火影様。お忙しいのは重々承知してますが、なかなかにマイペースなお方だった。ただ、やはりというか何というか、サスケの扱いには慣れててそこはさすが火影様と頭が上がらない思いだった。