14. 2つの家庭

名前が眠る1週間。本人は、2日でけろっと起きちゃうかもね、なんて言っていたがそんなことはなく、気づけば7日目だった。深い寝息を立てて眠る姿を見ると、明日も明後日もこのまま寝てんじゃないかと不安になる。子供達は余計不安なんだろう。日が経つにつれ母親が眠る部屋を訪れる回数がだんだん増えていく。大丈夫だ、なんて気休めもだんだん効かなくなっていた。

「サスケくん1週間だけなんだよね?明日母さん起きてこなかったら、イチカたち、どうなるの?」

不安をストレートにぶつけてくる少女に、そうなったら医療忍術のスペシャリスト呼んでやるよ、と答えるも十分な解答ではなかったらしい。膨れっ面をして、サスケくん全然真剣じゃない、と部屋に引っ込んでしまった。更に厄介なことに当てにしている医療忍術のスペシャリストが今度は不満をこぼし始めた。

「サスケくん、任務ってことは分かってるんだけど、せっかく里に居るのに全然家にいないよね。」

軽く言っているように見えてかなり深刻な内容に、俺もどうしていいかわからなくなりつつあった。さっさと目覚めろ、名前。もう願うしか手がなかった。

「で、引き受けたこと後悔しつつある、と?」
「別に後悔はしてねぇけど、」

そういうことに頭が回りそうな唯一の同期に相談してみると、お前くそめんどくせぇことに巻き込まれてんな、というお言葉を進呈された。なんとなく名前のことを話すのは気が引けて通常の任務かのように話した。

「まぁ、期間は明日までなんだろ?それまでは任務全うするしかねぇけどよ、その後はサクラ優先だろ。自分の家庭なんだからよ。」
「もし、明日で終わらなかったら?」
「それは別の人に引き継いで貰えよ。さすがに1日くらいなら誰かしらに頼めるだろ。」

流石に通常任務のテイで相談するのは無理があったか。延びても1日2日だから大丈夫だろ、と言われてしまう。

「もし、任務の方も気になるんならよ、」

と苦肉の策を思い浮かんだらしい同期に耳を傾ける。

「サクラも巻き込んじまえば?その任務に。」
「は?」
「だーかーら、サクラにも手伝って貰うんだよ。何かしら簡単なところを。そうしたら、あいつも当事者になるから安易に批難はできねぇだろ。」

その手があったか。

「さんきゅ、シカマル。」
「おー、頑張れよ。」

とりあえず、今日からサクラを巻き込んでしまおう。幾分か軽くなった足で自宅に向かった。