まだ眠たいけど、名前を呼ばれた気がした。サスケの声だ。それもあの頃じゃなくて今の低い声。ちゅっと唇に軽く何かが触れる。サスケ?まさかね。ぼやぼやした思考にもう一度降ってくるフレンチキス。いつぶりだろう。低くて甘くて優しい声に名前を呼ばれる。まだ夢を見てるのか、と気を抜く。現実のサスケはそんなに甘く私の名前を呼ばないし、呼んでちゃいけない。今度はもう少し長めのキス。ぼんやりと広がる視界にはサスケの端正な顔が映ってて、この時間が続けばいいな、と一瞬思ってしまう。私の腕がサスケの首に回ってて強請るようにキスをする。ねえ、なんで結婚したの?私のことなんて忘れてたの?もう好きじゃないの?ねぇ。
途端、舌が入ってきてそのリアルさにハッとする。あれ?夢じゃない?一旦、落ち着こう、と首に回していた手を引っ込め肩を押すもびくともしない。
「さ、すけ、」
声を出すと思ったより甘えた声で途端に恥ずかしくなる。なんて声だしてんだ、私。ちらりと視界に我が子のシルエットが映る。待って、子供の目の前?!焦る私に構わず腰に回った手が力強く引き寄せてくる。だめだめだめ!何やってんの、この男!
「サスケ!」
渾身の力を込めて押し退ければようやく離れてくれた。うそ、夢じゃなかったなんて。思わず恥ずかしくなって唇を隠す。
「悪い」
短く謝った彼は*が上気したようにほんのり赤らんでいて余計に恥ずかしくなる。その彼が視線を向けた方を見ると、それ以上に真っ赤になったサツキがいた。
「悪い、サツキ」
サスケの雑な謝罪が聞こえる。あぁ、最悪、子供になんて場面を見せてしまったんだ。てか、なんでキスなんか?ハテナでいっぱいの頭で駆け寄ってきたオリテの頭を撫でる。
「ね?効いたでしょ?」
自慢げに言うイチカに、そうだな、と返すサスケを見る。え、嘘でしょ。あんた子供の話、間に受けたんじゃないでしょうね。気が遠くなる思いで混乱する思考を1つずつ解いていった。