31. 過保護な親たち

それにしても、と言葉を区切るサスケ。

「名前はすげえ過保護だと思ってたけど、父親どもはそれ以上に過保護だったな。こんな核シェルターみたいな結界なかなかお目にかかれねー。」

そう言って嘲笑する。結界の中の庭で2人並んで座り夕日が沈むのを見る。そりゃ、いくら探しても見つかるわけねーな、と付け加えて。

「ふふ、愛されてるでしょ。」
「妬きたくなるくらいにな。」

素直だね、って言うと冗談だ、と返される。お前の子供もお前に関しちゃ過保護だしな、と言われそれは自覚がなかったから、そう?、と聞く。

「イチカがやいやい言う時は、他の誰かが思ってる時がほとんどなんだろ。」

以前の会話を思い出してか、そう言う。

「うん。基本的にはね。」
「じゃあ、あのキスしたら起きるかもよ攻撃は誰の気持ちの代弁だったんだろうな。」

そう言ってニヤリとこっちを見て来る。何よ。

「あれ、お前の気持ち?」
「いつの話?」

まぁ、いいけどな。と自己完結されると余計にモヤモヤする。

「私の中では、サスケが一番過保護かな。」

3ヶ月に一回会いに来てくれるんだっけ?これ知ったらサラダちゃん拗ねちゃうんじゃない?と意地悪に笑う。

「うるせーよ。」

あいつらの名前出されると流石に罪悪感沸く、と眉毛を下げて言う。私たちも完全に知らない振りができたらいいのに、そこまで非情にはなりきれない。

「私たち、タイミングが悪かったよね。」

いつか自分に向けられた言葉を口にする。ずっとこのままなんて続かないに決まってるし、子供達も辛い思いをしてしまうかもしれないのに。それでも止められない。

「やっと本心聞けたか。」
「あの時はしょうがなかったの。」

後でわかったでしょ、と言えば、痛いほどに、と返された。

「サツキがうちはになりたいって言った時、」

唐突にサスケが話し始める。

「お前がサツキに俺の姿重ねてたって言ってたあいつの言葉の意味、よくわかった。」
『約束しても約束を守れないときだって出てくる。』
「あれは、俺に向けて言ってた。」

そうだろ、と言われ、そうかも、と答えてた。

「まぁ、あいつ見た目は特にそっくりだからな、俺に。」
「私が無自覚なのが怖いよね。」

嘲笑する私の肩に腕が回る。少し肌寒くなってきた時間帯だからか、体温の高い身体が心地よい。

「俺らがお互いにちゃんとその思いをぶつけられてたら、あいつらの負担だって減るだろ。」

だから、お前が気にすることじゃない、ってしっかりと目を見て言われた。それってサスケの負担を増やすことになる気がするんだけど、この人はどこまで優しいんだろう。

「本当に過保護。そんな身を呈して守ってほしいなんて思ってないよ、私。」
「わかってる。」

ただ、俺がそうしたいだけだ。遠くを見ながらそう呟いた横顔をじっと眺める。あ、やっぱり睫毛長いな。照れ隠しにそんなことを思う。

「まぁ、それがうちはの血なんだろうね。」「まぁ、それがうちはの血なんだろ。」

同時に言って顔を見合わせる。

「もし、辛くなったら、一番に切ってね、私を。」

真剣に言うと、あぁ、と言った。そう言って絶対に切ろうとしないであろうこの人に念を押す。

「今回の攻防見たでしょ?私は1人でも大丈夫だから。」

公道でのやり取り、診察室でのやり取りを思い出しているのか、苦い顔をして笑われた。

「だから、自分の身を守ってね?」

そう言うと悲しそうな色を加えた目でこちらを見た。

「お願い」

絶対に目を逸らさない私に観念したのか、わかったよ、と呆れたように吐く。半分沈んだ夕日が2人がピタリと並んで座る場所を照らしているようだった。