03. 大人びた子供

サスケがアカデミーに通っている時間帯に任務があれば遂行した。それ以外のものは全て断っていたが、火影様はニコッと笑って、構わん、好きにせい、と仰った。時間帯を限定してもたまには任務が入る。暗部の任務扱いらしく報酬が良く、2人分の生活費が必要な私にはもってこいだった。サスケは生活費が尽きないことに疑問を持っていたが、うちはの遺産だと言い、アカデミーに通っていない暇な私が家事をし家計をやりくりしていたので、そこまで気にしていないようだった。
いつも一緒に任務についていたのはサスケといるときに雲隠れの抜け忍から救ってくれた暗部だった。

「うちはの生き残りの子と一緒に助けていただいた者です。その節はありがとうございました。」

初めて任務を組んだ時にそう頭を下げると、君何歳、と問われた。素直に、10歳です、と答えると興味なさそうに、そう、と返された。聞いたのはお兄さんなのに。お兄さんはカカシさんという人だった。

「生き残りの子と2人で暮らしてるんだって?」

任務の移動時間、負ぶってもらいながら話をする。

「はい。」
「健気だね。」
「何が言いたいんですか。」

訊ねると、別に、と返ってくる。

「自分には恋人というかいい感じの女性すらいないのに、自分の半分くらいしか生きてない子が好きな人と同棲してて、嫉妬してるんですか?」
「その眼、あんまり使わない方がいいんじゃない。」

俺は気長い方じゃないよ、と冷たく返される。図星らしい。一応、戦闘系の能力皆無な私は、見捨てられてしまっては困るので、この人はあまり怒らせないでおこうと、口をつぐんだ。この歳になってくると、お見合いお相手となる男の子も知識のある人が多く情報を抜くのは簡単だけど、バレないようにするのが大変になってきていた。いざという時は潜んでいる暗部に始末してもらわないと、自分の命が危ない。

「うちはイタチ以来の秀才だっけ?才能だけは優秀だよね。」

ある時ふとそう言われて、この人はイタチさんを知っているのか、と驚いた。私とイタチさんが以前一緒に任務に行っていたのも知っているらしい。

「私、イタチさん優しくて好きでしたけど、カカシさんも好きですよ。」

頼り甲斐があって、と続けると、分かりやすく胡麻擂るネ、と笑われた。胡麻擂りなのは本当なので何も言わなかったけど、無意識なのか私をおぶる手に力が入った。その日の任務も問題なく遂行され、サスケがアカデミーが終わりまだ修行をしているくらいの時間に里に戻れた。

「間に合った、」
「よかったネ。」
「飛ばしてくれてありがとうございました。」

丁寧にお辞儀して、急がなくていいの、という声に背中を押されて走り出す。家にはまだ明かりがついていなくて、心底ホッとして玄関をくぐる。晩ご飯、何にしようかな。自然と*が緩むのが分かった。