22. 餞

抱きつく私を優しく引き剥がして目を合わせてくる。

「…いいか?」
「うん。」

迷いなく答えるとベッドの淵に座らされる。お互いの服を脱がしあって下着姿になった。月明かりとリビングから漏れる光に照らされて途端に恥ずかしくなりキスを強請る。そんな私に御構い無しにホックを外しするすると腕から抜き取られる。こんな時までスマートなのか、格好いいな、こんちくしょう。

「名前。」

今日初めて呼ばれた自分の名前はそれはそれは甘い声で、私一生この時のことは忘れないだろうな、と思った。申し訳程度の膨らみの頂を触られると、自分でも聞いたことのない声が漏れる。ぎし、とベッドが鳴ってサスケが私に覆い被さってくる。

「んあ」

もう一度、弱い所を触られて声を出す私を口角を上げて見つめている。お返しとばかりにサスケのそこも触ると、余裕がなさそうな声が漏れて*が緩む。

「随分余裕そうじゃねーか。」

弱い所を狙って攻められ、ぴくぴくと体が勝手に動く。唇を閉じても隙間から甘ったるい吐息が漏れる。こんなの、恥ずかしすぎる。

「あ、サスケ、っきゃっ」

口を付けられていよいよ抑えられなくなった声が出る。頭の中で火花が散ったような感覚がする。余裕がないのに、くちゃ、と一番恥ずかしい部分にサスケの指が当てられて、一度引いていた熱がまた顔に集まる。

「そんなによかったのかよ。」

図星で言葉も出ない真っ赤な私を覗き込んでくる。不敵に笑う、私の好きな顔。

「わ、かってる、くせ、に」

さぁ?、と言って最後の布を剥ぎ取って、綺麗な長い指をぐっと押し込まれる。は、っと息を吐いてそれを飲み込むと、女の子の手みたいだと思ってたサスケの指はゴツゴツしていて、抜き差しされるだけで壁が刺激される。更に弱い所を探すように壁をさすって行く様子に、なんでこんな慣れてんのよ、と少し嫉妬する。

「っ」

嫉妬したと同時に弱い所にあたったらしく、背中がぐっと持ち上がる。

「ほんと、分かりやすいな。」

サスケの発する言葉ひとつひとつが私を押しやっていく。

「ねぇ、」

無意識に呼びかけていた。呼びかけて何も言わない私に首を傾げて、さっき見つけたポイントを集中的に攻められる。

「っああ、」

何本入ってるのか分からないけど、指をバラバラと動かしながら、一箇所の壁を擦られると今まで感じたことのない浮遊感が漂う。

「あ、ぅ、ま、待って、」

サスケ、とその名前を呼ぶと、ゆっくりと指を抜いてくれてホッとする。

「っああああ」

それも束の間、いつのまに準備したのか、彼のモノがゆっくり入って来てまた背中が上がる。

「っは、キツ、力抜け、っ」

苦しそうに言う姿も格好よくて、もう何がなんだか分からない。ゆっくり押し広げられ奥に進んでくる感覚に、顎が上がり、はぁっと息を吐く。

「あ、ん、だめ、大き、これ以上、むり、」

必死でサスケを縋るように見つめると、バン、と一気に奥まで入れられる。大きめの声が出て中が痙攣しながら収縮するのが分かった。目の前がチカチカする。動きを止めて下を向くサスケが息を荒げる。

「バ、カ、早すぎだろ、」
「ん、ごめん、」

ふわふわする思考で焦ってる顔も格好いいな、と思う。繋がってる部分がじんわり暖かくなる。

「動いて、いいか?」

全然良くないけど、もうどうとでもなれ、とコクコクと頷く。次の瞬間、激しく突かれてお腹のあたりがきゅうきゅうするのが分かる。

「サ、スケ、」

必死で腕を伸ばしてしがみつく。顔を寄せてきてくれてキスされて余計に胸がキュンとする。

「っはぁ、」

外された唇を強請るように見つめる。

「お前、ほんと、俺のこと好きだよな。」

ナルシスト発言?と思ったけどそれも格好よかった。弱いポイントを擦り上げられ、両脚でサスケの腰にしがみ付く。

「あああ、好き、サスケ、す、き」
「知ってる、よ」
「待って、また、」

唇を重ねられて頭の奥でチリチリと火花が飛ぶ。一番大きな喘ぎ声はサスケの口に吸い込まれて体を痙攣させる。唇が離れていって、唸るように息を吐いたサスケが動きを止めはぁはぁと息を整える。力が入らなくてサスケの首に回していた腕が力なく落ちる。深いところからどくどくと振動が伝わってくる。

「サスケ、」

荒い息を整えながら目を合わせてくれる。

「どこにも行かないで、」
「名前、」
「一緒にいさせて。」

目尻に溜まっていた涙がすっと一筋落ちる。気持ちよくて出た涙なのか、寂しくて出た涙なのか、もう何も分からなかった。