力なく投げ出されている手を取って絡め合わせる。大きさはそんなに変わらないけど、絡めた手は柔らかくて確実に自分の手とは違っていた。嬉しそうにそれを見ている名前を見て心の中で小さく謝罪する。両手ともしっかり絡め合わせると、そのままこちらの方へ引き寄せる。
「っああ」
先程までよりも深いところまで突くと目から涙がこぼれる。
「名前、」
また近づく高みを耐えながら声を出す。そろそろ体力的にも限界なんだろう彼女に、意識があるうちに伝えなければ。
「強くなって、戻ってくる、だから、そのときは、」
弱いポイントに当たったのか甲高い甘ったるい声で鳴いて、ギュッと締め付けられる。
「一緒に、うちはを、守ってくれ。」
一層嬌声をあげる姿にスピードをあげる。
「だから、それまで、忘れるなよ、」
がくんと名前の背中が持ち上がり俺も達する。荒い息を整えながら俺を離さないとばかりに*ぎ止める身体を見下ろす。こんな俺を好きだと言ってくれるのが不思議でしょうがなかった。ずっと一緒にいたし、お互い好き合っていたのは明白だったけど、酷いこともした。先日の病室での八つ当たりは最悪だったと自分でも思う。そして、俺は今、里抜けを考えている。すーすーと早くも寝息を立てる名前の寝顔は幸せそうだった。帰宅してからずっと俺に縋るように積極的だった姿を思い出して、俺がいなくなると気付いているのかもしれない、と思った。
「すまない。」
それでも、俺は力が必要なんだ。あいつに復讐するためにも、お前を守るためにも。名前の隣にどすんと横になり無責任に抱いた大事な女を重たくなる瞼で見つめる。俺のことなんか忘れて幸せになって欲しいとさえ思ってしまった。