火影としての業務に没頭する毎日で気づけば何年かの時が経っていた。あの日迎えた3人は無事アカデミーに入学し、上の子に関しては忍としての才能に恵まれていたらしく、忍不足な情勢も手伝ってアカデミーで飛び級し下忍になった。現在中忍昇格試験の真っ最中で里で専らの噂だった。
「自慢の息子だね。」
報告書を提出しに火影室を訪ねて来た母親にそう告げると嬉しそうに、ありがとうございます、と笑顔を返される。
「そういえば、末っ子くんはどう?」
「今月からアカデミーに通い始めました。毎日楽しそうに報告してくれます。」
「そ。よかったじゃない。そういえば、今まではどうしてたのよ?」
「え、っと、家にいました。」
「…子供放置するようには思えないけど、昼間は木ノ葉病院で勤務してくれてるんじゃなかったっけ。」
シズネが助かってます、って言ってたよ、と伝えると、曖昧に笑う。
「言わないと、だめですかね。」
「まぁ、言ってくれるとこっちとしてはいざという時にフォローもできるし、楽だよね。」
う、と言葉を詰まらせる。まぁ、こいつの事情を考えると無理もないか、とこれ以上追求するのは断念する。
「まぁここまでが正念場だったってとこなのかな。」
「はい、早ければ来週にはもう少しシンプルライフになっているかと。」
ニコリとするそいつに、残念ながらシンプルライフは当分来ないよ、と心の中で同情する。
「もうすぐね、サスケ、帰ってくるみたいよ。」
え、と分かりやすく動きを止める。その様子にいないのをいい事に帰って来たんだと確信する。固まったままの表情を見てると「実はすでに帰還済みで、お前には息子がいて中忍試験を受けてることまで教えてちゃったんだよネ」とは流石に言えなかった。余計なことしちゃったかな。
「あ、の、反省の旅に出てるんじゃ、」
「うん、それがね一時帰還するみたいよ。」
「そうですか。」
「シンプルライフ、送れるといいね。」
茶化すように言うと、彼の帰還と私の生活には何の接点もありませんから、と満面の笑みを向けられた。女って怖いね、ほんと。