27. お節介

結局、『何の接点もありませんから』なんて言ってたくせに、その後火影室出たところでばったり会ったようで、存分に生活を掻き回されているらしく早々に相談に来た彼女に軽く同情した。

「あの、今まで、影分身で分担して生活を回していたんですけど、本体だけの生活に戻そうかと思っているんです。ただ、戻したときに今まで蓄積された疲労が一気に出ることもあって、最悪1週間寝続ける可能性があり、その間の息子たちについて相談させていただきたいのですが、」

丁寧な口調で言う彼女にニコリと笑顔を向ける。

「うんうん、やっと戻すことにしたのネ。俺も安心したよ。」
「ご存知だったんですね。ご心配おかけしました。」
「んー、にしても確かに最悪1週間寝っぱなしとなると子供は心配だよネ。」
「もし可能であればDランク任務として依頼させていただきたいのですが、」

コンコン、とタイミングよくノック音がなる。来たか。ごめんね、名前、と心の中で一度謝って、どーぞ、と声をかけた。

「呼んだか、カカシ。」

彼女の相談の元凶となった人物が登場して、軽く動揺する様子が見える。あ、そんな顔で睨まなくてもいいじゃない。こっちは善意100パーセントでやってんだから。

「んー、ちょうど今人が出払っててね。1週間くらい融通が効くのってサスケくらいなのよ。」
「あ、あの、火影様、何も1週間同じ方でなくても、1日ごとでも構いませんので、」

今回ばかりは譲らないよ、と言葉を重ねる。

「それにコイツちょうど長男くんの修行つけてるみたいだしさ。見知ってる仲の方が子供達も負担が少ないんじゃない?」

正論に言葉を失っているらしい。

「反論しないと俺に決まるぞ。」

こら、お前はそう言うこと言わないの。

「まぁ、こんなだし心配だろうから、俺やシカマルもちょくちょく顔出すようにするし、ネ。」

自分で仕組んだとはいえ流石に不憫になってフォローを入れる。

「そ、れはそれで大変申し訳なさすぎるんですが。」
「いいじゃない、サスケも父親体験して練習しておかないとだし。」
「お言葉を返すようですが、それでしたら本人の子供をあやした方が、」
「往生際悪いとこは変わんねーのな。あいつらがうちはだってバレて狙われたときに護れる奴がDランクで確保できんのかよ。」

サスケもサスケで何んだかんだ心配しているらしかった。

「だから子供の悩みも気付いてやれねーんだろ。」
「は?ちょっとサツキから事情聞いたからって偉そうに説教たれてんじゃないわよ、ウスラトンカチ。1人で産んで1人で育てるって決めたのよ。それを全うしてるだけじゃない。なんでふらっと帰ってきてふわっと関わったあんたにそんな事言われなきゃなんないのよ。」

昔病院で泣き付いてきた頃の彼女には到底言えなかっただろう言葉に時の流れを感じた。

「くくくっ、言うねぇ、名前。」
「お見苦しい所を、失礼しました。」
「素直に助けてって言えよ。昔は泣きながら縋ってきて可愛かったのにな。」

勝ち誇ったように言うサスケに、え、と驚く。先程も思い出していた、サスケに無下にされ光を失ったとばかりに落ち込む少女を慰めたとき。自分にだけ弱みを見せたのかと、ちょっと嬉しかったのにちゃっかりサスケにも見せてたのネ、と少しがっかりしてる自分がいた。

「ま、なんだかんだ2人仲良いみたいだし、ちょうどいいかな?よし、これにて解決!はい、次ー。」

なんだ、ただの痴話喧嘩なんじゃない。もう好きにやって頂戴よ。