火影室のドアがノックされるのを聞いて、どーぞ、と声をかける。
「失礼します。火影様。」
「ん、いらっしゃい。」
「あの、お忙しいところ恐縮なのですが、姓名変更に関しての相談を、」
これは少しは上手くいったのかな、と期待する。
「うちはに戻すの?」
「はい。息子たっての希望なもので。」
2人の話し合いではなかったようで、少し残念だな、と思うけどまぁ、終わりよければ全て良しって言うから、と心の中で思う。
「サツキね。いい闘いしてたじゃない、中忍試験。」
「ありがとうございます。本人にも聞かせてやりたいです。」
誇らしげに笑う姿がまだ幼かった頃と重なった。
「今、うちはの当主はサスケなんだよね。ま、ついて来たってことは特に異論ないんだろうけど。」
「あぁ。」
「ん、じゃあ俺からは何も言うことはないよ。おかえり、名前。」
「ありがとう、カカシさん。」
満面の笑みを俺に向けるのが少し意外だった。憎まれ口減らず口ばかりだと思ってたけど、ちゃんとそういう顔もできるんじゃない、とほっこりする。
「知ってたのか。」
サスケは俺と名前が知り合いだと知らなかったようで、不服そうな声を出した。そういえば名前と会うときはいつもサスケがいない時で、サスケがいるときは他人行儀に振舞ってたな、と思う。まぁ、俺も好きな子がさっきの笑顔を他の男に向けてたら嫉妬するかな。
「子供のこと」
取って付けたように続けるからおかしくて、知らない振りしてやるか、と*をかいて答える。
「まぁ直接名前の口から聞いた訳じゃなかったけど、ほらタイミング的にどう考えてもそうでしょ。それで、サスケ、目の治療をして貰ったって聞いたけど、その後経過はどうよ?」
「あ、あぁ、それは何の問題もない。イタチとやり合う前ぐらいまで視力は戻ってる。」
「じゃあ85%ってとこ?」
訊ねる名前に、まぁ、そうだな、とサスケが返す。側から見てたら自然にお似合いで、むしろ一緒にいれなかった事の方が不思議だったと思ってしまう。
「ちょっとチャクラまだ溜めれてないからすぐは無理だけど、来週くらいにはもう一回診れるから。まだそれまではいる?でしょ?」
「ギリギリ、だよねー?」
これぐらいの意地悪は許されるだろう。苦い顔をされる。
「もともと1ヶ月って言ってたから、こいつ。」
「そうだったんですか。じゃあ、なるべく急いでみます。」
そう言ってまたサスケ命に戻る姿を、娘を嫁に送り出すような心境で見つめる。いい加減、幸せになって欲しいもんだね。笑顔を一つ送った。