それからも暇さえあればサツキの修行に付き合ってやった。飲み込みが早く、コツが分かればどんどん習得していく姿にこちらまで誇らしくなる。休憩時間にはお互いに探り探りではあるが会話もするようになった。
「ありがとうございます。周りに写輪眼使える人っていないから、助かった。」
「母さんには見てもらわなかったのか?」
ふと疑問に思って聞いてみたら、目をまん丸にして見返された。これ、バレたら名前にどやされるな。
「やっぱり母さんも使えるのか?」
「さあな。うちは一族なんだろ?使えるんじゃねーの。」
知ってるけど知らないふりをして答える。
「母さんとは修行しないんだ。」
そうか、と相槌を打つ。まぁ、俺も母親とはしなかったなと思い出す。
「本人は言わないんだけど、きっと常に分身して生活してる。最近は寝てるかもしれねーけど、弟がアカデミーに入るまでは寝てなかったと思う。」
色々驚く話ではあったが、弟もいるとは知らなかった。きっと誰にも言えなくて、1人で悩んでたんだろう姿を見ると、そういうところは母親譲りだな、と思う。
「母さんは俺たちに寂しい思いをさせないように最大限尽くしてくれてんだ。その上修行まで付き合わさせらんない。」
イタチみたいな奴だった。知っててシナリオに乗ってやってんのかと思うと、少しその重荷を減らしてやりたいとさえ思えてくる。
「親孝行だな。俺がサツキぐらいの時は自分のことばっかだったぜ。」
母さん幸せ者だな、って呟くと困ったような泣きそうな嬉しいような顔をした。
「俺もたまにしか里にはいねーけど、お前の中忍試験が終わるくらいまではいるから、いつでも来い。」
そう額を小突いて言うと突かれたところを抑えながら嬉しそうに笑った。きっとサツキも俺が父親だと思ってて、俺もこいつが息子だと思ってる。それでもお互いに確認はしなくて、それが暗黙の了解になってた。