面影を求めて

「オレの言う火影とは、五里全ての闇を己の炎一つで焼きつくし、その灰を喰らって生き続ける者だ。」

その言葉に今は亡き想い人を重ねる。里を守るため、心を殺し、一族を殺して、大好きな大好きな弟に憎まれ殺されることを望んだあの人を。たった一人で里とうちはの闇を背負い込もうとしたあの人を。罪悪感に苛まれていたとしても、そこまで里を、忍の世界を、献身的に愛せるのはやはり愛の一族故なのだろうか。

兄の真相に触れ、怒りに任せて数え切れない程の大罪を犯した彼の弟くんは、その罪の重さもきちんと理解しているらしい。その事実に一人安堵する。彼の人生を賭けた愛はきちんと届いたようだ。きっと殆どの人が罪人だと、やはりうちはは危険だと、敵対視し、責め、目の敵にし、憎悪を向ける。それすら利用して一人暗い闇の部分を背負い込む覚悟をしていたなんて。

愛情が深すぎるのも考えものだ。

未だ罪の意識から逃れられず贖罪の旅を続ける姿を思う。もういいよ、と今すぐにでも言ってあげたいのに、それは残念ながら私の役目じゃない。だから、せめて。いつか彼が里に定住できるようになったときは、例え全員が不満を持っていたとしても、私は全て受け入れる。責められた方が楽ならたまには悪役にもなる。光のある生活が眩しいなら目を瞑っていても歩けるように手を引いてあげる。

だから、早く帰っておいで。愛しい人が愛した人よ。