01

今日は珍しく恋人とのツーマンセル。嬉しくて早々に集合場所に着いた私とは反対に彼はなかなか来ない。集合時間になっても現れないのは珍しくて、思わず家の前まで迎えに向かう。来てみてすぐさま原因がわかった。一応集合場所にも分身を残して来たが必要なかったようだ。玄関先で可愛らしいトラップにかかっている姿が見えた。

「兄さん、任務行っちゃうの?」
「すまない、サスケ。また今度だ。」
「前もそう言ったよね。俺との約束なんてどうだっていいんだ。」

仕事と私どっちが大事なの、と言わんばかりに詰め寄って彼を困らせている男の子。彼の溺愛する弟くん。

「イタチ。」

声を掛けると気配に気付いていたのかゆっくり振り向いた。困った顔で一言、すまない、と言ってまた男の子の方を向き直る。敵ならどんなに年上でも幼子でも容赦なく冷酷に始末してしまう彼が、体を拘束されすらもしていないのに手こずってしまうなんて。なんかちょっと妬けてしまう。

「サスケくん、私達これから任務で、もう出発時間が過ぎちゃってるの。」

ムスッとして私の方なんか見ようともしない男の子に話し掛ける。兄が弟ラブなら、弟は兄ラブらしい。

「任務失敗しちゃったら、兄さん、今よりもっと帰って来れなくなっちゃうかもよ?」

脅すつもりはなかったが、その言葉はダイレクトに響いたようで肩をビクっと震わせる。

「名前ばっかり兄さんと一緒でずるい!」

そう言うと廊下を走っていって部屋の中に入ってしまった。

「ごめん、イタチ。」
「いや、構わない。俺には突き飛ばすことはできなかった。」

別に私も突き飛ばした訳ではないんだけど、無事任務に向かえる状態にはなったのでホッとする。遅れた分を取り戻すようにいつもよりスピードを上げて移動する中で、イタチがぽつりと呟く。

「今度こそ帰ったらサスケの修行、見てやらないとな。」

なんだかんだ彼の心を一人占めする小悪魔な男の子を思い出して苦笑した。