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「……つまり、
ここではポケモンはゲームの中のもので、オレはそれに登場する人物ってことか」
『そういうこと』
ふう、とため息をはく少女。
突然見たことのない場所にいると思ったら、どうやら来てはいけない場所だと判明した。
話は全部聞いたけど、全然信じられない。
でもモンスターボールからポケモンが出せないなんて初めてだし、見せられたゲームも確かにそこに存在している。
「………信用してないわけじゃないけど、とても信じられねえんだけど…」
『そんなの私もよ、……なんでいるの、グリーン…しかも私の家…』
「わかんねえ……ジムサボってトキワの森で寝てたはずなんだけど…」
『サボらなきゃ良かったのに』
「だって誰も来ねえし!暇だったから…。
……そうだ、名前は?」
『私?』
「おう」
『……乃亜』
「乃亜、な!
その、なんていうか…しばらく迷惑かけるかもしんねえ…」
『私は別にいいけど…』
ここに来て初めて会った少女。
乃亜というらしい。
背はオレより結構低い。
服装はワイシャツに紺色の上着、チェックのネクタイにスカート。見た感じはオレの世界にもいそうな服装。
周りを良く見れば知ってるゲーム機もあるし、家の中もオレのいたとことあんまり大差ない。
ただ、オレがゲームの中の人物ってだけで。
「とりあえず軽く散歩してみる?」と聞かれたので、そうすることにした。
会って数十分もしない人に着いていくのはどうかと思うが、どうしようもない。
少なくとも悪い人には見えないし、今はこの少女を頼るしか。
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