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『あんまり予算ないから最低限しか買えないけど』


「助かるぜ…」




適当にシャツとズボン、下着を手にとってかごに入れる。
乃亜のことも考えて、下着は一番下に隠しつつ。
値段もなるべく安いものを選んだ。
できるだけ負担はかけたくない。


時間帯のせいなのか、安売りでもやっているのか、やけに人が多い。
レジに行くまでにも何度もぶつかった。
乃亜はちっちゃいからはぐれそう…なんて、ちょっと失礼だがそう思った。
はぐれて困るのはオレの方だけども。




「乃亜、…手、いいか」


『……っ!?』




かごを左手に持って、空いてる右手で乃亜の左手を握る。
びく、と反応された。驚かせたか。




「ちょっとはぐれそうだから……」


『……あ、あの、』


「ん?」


『…や、やっぱなんでもない……』




本日三度目、目をそらされる。
やっぱり耳まで真っ赤。
オレに弱いのか、誰に対してもこうなのか知らないけど。
かわいいなあ、なんて感情が何度も浮かんでくる。
さっき初めて会ったのに、もうかなり信頼を置いていた。


そのままの状態でようやくたどり着いたレジに並ぶ。
手を繋いでから途端に無言になってしまった。
ずっと下を向きっぱなしの彼女の顔を覗きこむ。
またびっくりされて、今度は顔ごと逸らされた。




「い、嫌か?」


『やじゃない、やじゃない……っ』


「……乃亜、真っ赤」


『…う』


「かわいいのな、乃亜って」


『は、はあ!?』


「あはは、かわいー」


『や、やめてよ…』




かああ、とさらに赤くなる。
左手がオレの右手でふさがっているので、顔の右だけ手のひらで包んでいた。
その仕草も女の子らしくて、軽く笑えば、むすっとした顔で見上げてくる。
撫で回したい衝動に駆られたけど、あいにく両手がふさがっている。


順番が来て、乃亜がお金を払って店を出る。
服装が“ゲームのまま”なので、少し早歩きで家に向かう。
めんどくさいことに巻き込まれたくない。
ここにいる時点で十分面倒な事になっているけども。

手はなんとなく繋いだまま。
もう別に必要はないのだが、オレが勝手に繋いだままにしていた。
乃亜も嫌がる素振りはなさそうだし、いいかなと。
相変わらずの無言だけど。



買った荷物を片手に抱える。
乃亜のお母さん次第だけど、今日はとりあえず過ごせそうだ。


先が見えない不安を紛らわせるように、乃亜の手を強く握った。










これからどうなるんだろうか。



(とりあえず、乃亜に会えて良かった…。)




END.





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終わらせ方が思いつかなかった。

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